結婚当初に「希望した子どもの数」と「完結出生子ども数」はなぜ差が出てしまうか? 「子どもを持つ理由」にも変化が【人口問題4】(鷲尾香一)

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「子どもを持つ理由」に変化...「自然なことだから」2005年は59.6%→2021年は33.8% 「子育てや教育にお金がかかりすぎる」52.6%

   子どもを持つ理由の変化には、結婚当初の希望数から完結出生数への減少の理由が透けて見える。

   2002年から2021年まで4回の調査で大きく変化したのは、「結婚して子どもを持つことは自然なことだから」で2005年には59.6%だったが、2021年には33.8%に減少した。これは、独身者の調査でも同様の傾向が出ている。

   そこで、完結出生数が結婚当初の希望数を下回った夫婦の理由を見ると、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が52.6%と最も多く、次いで、「高年齢で生むのはいやだから」が40.4%となっている。

   これを妻の初婚年齢35未満と35歳以上で比べると、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が、35歳未満では77.8%と圧倒的に多く、35歳以上でも48.6%となっているが、「高年齢で生むのはいやだから」は35歳未満では19.7%にとどまるのに対して、35歳以上では43.7%と増加する。

   つまり、子どもを持たない主な理由としては、35歳未満では経済的な理由によるが、35歳以上では経済的な理由と同じ割合で、高齢出産に対する精神的・身体的な理由によるものとなっている。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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