ビジネスパーソンにとって30代、40代は、上司もいて、部下もいて、あるいは周囲の活躍も気になって...という悩み多き世代ではないでしょうか。
当コラム「その仕事の悩み、こんなふうに考えてみよう。」では、キャリアや生活にまつわる悩みに、組織や人材開発、コーチングに詳しい「ひろ子ママ」が、アドバイスやエールをお送りしていきます。
◆きょうのお悩み
きょうはSさんが、こんな疑問を抱えていらっしゃいました。「9月にそごう・西武の売却が完了しましたね。20代の頃は池袋の西武が好きでよく買い物に行っていました。お中元やお歳暮も店頭で買っていた頃もありましたね。最近はグンと訪れる機会も減っていましたが、なくなってしまうとさみしいですね。これから日本の街並みはどうなっていくんでしょうね」
時代のニーズは変化している
1990年代の百貨店の業界の売上高は約9兆円、2020年になると約4兆円と半分以下の売上になっているそうです。売上の減少からもわかるように、百貨店やブランドの紙袋を持って歩くことがステータスだった時代は終わり、ネット通販、コンビニ、ドラッグストアなどの存在感が増し時代のニーズは大きく変化しています。
ふと気になり首都圏でお馴染みのビックカメラの歌を調べてみると、歌自体変わっていました。「東が西武で西 東武♪」(池袋には東口に「西武池袋本店」、西口に「東武百貨店池袋店」があることから)、あと数年後には「あんな歌あったね」と懐かしくなるんでしょうか。
ただし、すべての百貨店が衰退しているわけではなく、2022年の売上については伊勢丹新宿本店と阪急うめだ本店が過去最高売上高を記録したそうです。売上が好調なお店をまわって、人を惹きつける魅力を探ってみるのも面白そうですね。
ドラッグストアが増えている
街を歩いていると、「あれ、こんなところにドラッグストアができている」と感じたことはありませんか。私の肌感覚では都市部だけでなく、地方にもドラッグストアが増えている気がします。調べてみるとここ3年間右肩上がりで店舗数が増え、全国に25,093店舗※(2023年1月)もあるそうです。※日本ソフト販売株式会社調べより
昔ながらの薬局というタイプではなく、医薬品や化粧品だけでなく、卵や野菜などの生鮮食品や日用品などなんでも売っているお店まであります。最近のドラッグストアは、品揃え多くお店に行くだけでも楽しめると私も思います。
なぜドラッグストアが増えているのか?
「なぜドラッグストアが増えているか?」というと、儲かるからなんですね。スーパーなどの小売店よりも利益率が高いため、出店が増えているんだそうです。
医薬品と化粧品は利益率が高いので、お菓子や飲料などの値段を一般のスーパーよりも安くしても利益が十分ある状態。Sさんも安いお菓子などに釣られてドラッグストアに入ったり、医薬品の購入ついでにお菓子を買ったりしたなどありませんか? それは、まんまとドラッグストアの戦略に乗せられているんだと思います。
ドラッグストアはたいてい、10~15%オフになるクーポンがスマホアプリで配られているので、私はほとんどクーポンを活用しながら買い物しています。スーパーよりも食品や飲料が安ければ買ってしまいます。
コロナ禍前は、インバウンド需要によってドラッグストアの数が増えていましたが、今は日本人に向けて食品構成比を高めたり、プライベートブランドを増やしたり、各社によって戦略も違うようです。「ドラッグストア増えたなぁ」と思うだけでなく、各社の売り場の違いなど見ていくと面白そうですね。
先日、福井県に行った際に、「ゲンキー」というドラックストアが道沿いにあるのを何度か目にしました。初めて見たお店だったので調べてみると、福井県に本社があり、300店舗以上あるチェーンでした。ドラッグストアごとに地盤があり、それぞれのチェーンごとに戦略が違うので地方に行った際には、その土地ならではのドラッグストアに行ってみるのもいいですね。
世の中のニーズが変わるので、街の景色が変わるのは仕方ないことです。せっかくなので、どのように変化していくか、自らウォッチしながら生活してみてはいかがでしょうか。(ひろ子ママ)