こんにちは、ブロックチェーン関連の技術やプロジェクトを調査しています、ブロックスタです! 当コラム【仮想通貨通信】では最先端のちょっととっつきづらかったりする情報をわかりやすくお伝えしていきます!
さて先日こちらの記事で、ゲーム会社大手ドリコムが取り組んでいるブロックチェーンゲーム「Eternal Crypto」について紹介したことを覚えていらっしゃるでしょうか。
実は今、密かにさまざまなゲーム会社が「ブロックチェーンゲーム」に注目し、新たなゲーム作成に乗り出しているのです。そうした最先端の情報を最新ゲームの展覧会「東京ゲームショウ」に潜入し、さまざま入手してきました。
今回は「東京ゲームショウ」にて得た現在開発中のゲーム情報などを、余すことなくお伝えしたいと思います!
そもそもブロックチェーンゲームって何?
ブロックチェーンゲームとは、ビットコインなどの暗号資産にも使われている「ブロックチェーン技術」を活用したゲームです。
この技術を活用することにより、プレイヤーが獲得したキャラクターやアイテムを他のゲームでも利用したり、他のプレイヤーと売買したりすることができるメリットがあります。
ゲームをしながらお金を稼ぐ、そんなことができるのなら魅力的ですよね。
そこで、さまざまなゲーム会社が現在、ブロックチェーンゲームを開発すべく積極的に挑戦しているようです。
さっそくですが、ここからどんなブロックチェーンゲームが「東京ゲームショウ」で出展していたのか紹介しましょう。
<出展した最先端のブロックチェーンゲーム7選>
1. Battle of Three Kingdoms - Sangokushi Taisen -
開発企業:double jump.tokyo
デッキ対戦型ゲーム、セガからライセンスを獲得し『三国志大戦』の素晴らしいアートワークが魅力。
2. QAQA(カカ)
開発企業:株式会社BLOCKSMITH&Co.
ユーザー投稿型の縦型ショート動画クイズサービス。クイズを出題したり、解答者として連続正解して「Chip」をため、たまった「Chip」は暗号資産「BLQS」に交換できる。
3. Eternal Crypt - Wizardry BC -
開発企業:ZEAL NOVA DMCC・チューリンガム株式会社・株式会社ドリコム
クリッカー系×戦略系を掛け合わせたゲームシステムで、プレイヤーはギルドマスターとして最大36体の冒険者とともに、ダンジョンの深淵を目指す。
参考記事:たった47秒で売り切れた!? Coincheck初の「INO」でも話題...ブロックチェーンゲーム『Eternal Crypt - Wizardry BC -』ってなんだ!【仮想通貨通信vol.19 前編】
4. コインムスメ
開発企業:エウレカエンターテイメント
仮想通貨をモチーフにしたアイドルキャラクターたちが登場するゲーム。年内公開予定。
5. 資産性ミリオンアーサー
開発企業:SQUARE ENIX / double jump.tokyo
生成した寿司をパンツに変換、シールを作るという斬新なゲーム展開が魅力。
LINE NFTと提携しておりLINEアカウントだけで簡単に始めることができる。
参考記事:スキマ時間にゲームしながらお小遣いゲット!? スクエニのNFTゲームが人気【仮想通貨通信vol.11】
6. アルケモン
開発企業:double jump.frog株式会社
アルケモンは歩いた時間が資産になる次世代『リアルトレジャー』ハントゲーム。
パートナーとなる「アルケモン」と一緒に遺跡を探索してお宝を獲得できます!
7. エグリプト
開発企業:株式会社Kyuzan
『EGGRYPTO』はモンスター育成RPG型のモバイルNFTゲーム。今年4月に3周年を迎え、ダウンロード数は150万を突破。「レアモン」と呼ばれる希少なモンスターは、プレイヤー同士で売買可能なNFTで、誰でも獲得できるチャンスがある。
ここまで駆け足で注目のブロックチェーンゲームを紹介してきました。
今回の「東京ゲームショウ」には、これ以外にもたくさんのブースが出展しており、いろんなゲームの現状をのぞくことができました。
出展ブースではわなげをすることで、NFTを受け取ることができる――そんな楽しい企画も盛りだくさんでした。
しかし、それにしてもどうして、こんなに突然大手のゲーム会社が参入を始めたのでしょうか。
ここからはなぜ大手のゲーム会社が続々と参入しているのか――。また、日本が世界の中でも特に注目されている理由について考察してみます。
日本企業がブロックチェーンゲームに挑戦する意義・強みとは?
1. 潤沢なIP(知的財産)
日本には「アニメ」「漫画」「ゲーム」など、多様で日本独自の成長を遂げたサブカル文化があります。多くの外国人観光客が「アキバ」に集まってくるなど、世界の中でも特に強みのある分野ではないでしょうか。
さらに、こうした作品を作るクリエイターの質・量ともに各国と比較しても潤沢で、新たなIPも続々と誕生していくことでしょう。
こうした既存のIP(知的財産)をフルに活用しつつ、また新たなコンテンツを作成することができる日本は世界の中でも競争力があるといえるでしょう。
2. 案外柔軟な法規制、政治的な環境
そして、これは少し意外に感じる方も多いかもしれません。たしかに巷で言われるように、「日本は税制が厳しく暗号資産事業を行うのは難しい」。これは、よくいわれていることです。しかし、法規制の観点からいうと、NFTに関する法的な見解も、今年の4月に出ているなど、最先端の技術に食らいついているような印象があります。
なにしろ世界初の暗号資産規制を敷いた国は日本。海外は法整備が追いついていない国も多く、「やっていいこと」と、「やってはならないこと」が不明です。
暗号資産のスタートアップならまだしも、ゲーム開発企業のような大きな会社が参入するには、「やってはならないこと」が明確な日本で事業を展開することは理にかなっていると考えられます。
3. 日本以外の国の対応の遅れ
これは、日本の強みというよりも、諸外国の弱みです。実は米国や中国など大きな市場を有する国は、暗号資産、ブロックチェーンといった技術に対して、まだまだ対応ができていません。
たとえば――。
1. 米国の場合
SEC(米国証券取引委員会)が暗号資産の証券性についての裁判を積極的に行うなど内部の権力闘争とも取られかねない不思議な動きをしています。
さらに昨年発生した大手仮想通貨取引所FTXの破綻を経てあまり積極的にはなりづらい、そんな環境にあるでしょう。
2. 中国の場合
中国はそもそも中央集権的な政治体制とブロックチェーンの分散的な思想が相反しています。暗号資産全体に対して厳しい規制を敷いており、暗号資産に関する事業を正々堂々行うのはかなり難しい状況があるといいます。
3. EU圏国家の場合
EUはGDRP(欧州データ規則)とよばれる、個人データのプライバシー保護に関する厳しい規制を敷いています。最近、みなさんがサイトにアクセスした際、「Cookieを受け入れますか?」。そんな文言を見たことがあるでしょう。
実はこのボタンは、EUの「面倒な」規制に対応するためのものです。このような事例からもわかるとおり、EU圏ではさまざまな規制が多々あります。
ブロックチェーンとこうした規制は非常に相性が悪く、EUでの規制の対策をしつつ事業を行うならほかでやりたい。そう思う事業者も多いことでしょう。
こんな事情があるので、総合的に考えると、日本は1億人の人口を有する理想的な市場、と見えるのもうなずけますよね。
◆まとめ
さて、今回は東京ゲームショウを例に多くの日本企業がブロックチェーンゲームに参入中であることをご紹介しました。
「日本はオワコン」。そんな悲しい言葉がネットを騒がせることもあるようですが、さきほどの日本の強みを考えると、一概にいいきれませんよね。
今後のブロックチェーンの社会実装を日本全体で推し進めることで世界を大きくリードすることができるかもしれません。ぜひみなさんもブロックチェーンゲームに挑戦してみてはいかがでしょうか。(ブロックスタ)