昨年の為替介入の成功は、その後の日銀政策修正にあり
一方、「1ドル=150円前後で政府の為替介入がある」と予測するのは、第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏だ。
ただし、熊野氏はリポート「1ドル=150円を超え、先のストーリー~為替介入の発動後を読む~」(9月27日付)のなかで、ドル円レートの推移のグラフ【図表】を示しながら、むしろ為替介入発動後の日本銀行の政策変更の分析に力を注いでいる。
なぜなら、昨年10月の為替介入が成功し、1ドル=151円台だったドル円相場を12月中旬に130円近くまで戻したのは、為替介入後に行なった、長期金利の変動幅を上下0.5%まで広げた政策修正の効果があったからだ。
つまり、為替介入をしただけではダメ。その後、日本銀行が「出口戦略」の政策修正を行なえるかどうかが、円安阻止のポイントになる。
その際、カギを握るのが、岸田文雄首相が打って出る解散総選挙の時期だという。解散のタイミングが、日本銀行の出口戦略の縛りになるからだ。