まだ、政府と日銀がタッグを組んだ「口先介入」の効果あり?
そこで、木内氏はこう予測する。
「防衛ラインの1ドル150円が目前に迫る中、政府は、為替介入を実施するタイミングを見計らっている段階だろう。
為替介入の条件は、東京市場で1日1円を大きく超える円安進行が生じることではないかと考えられる。昨年9月に為替介入を開始した際には、こうした条件が満たされていた」
ところで、為替替介入をしなくてすむ方法があるという。今年7月に、日本銀行はイールドカーブ・コントロール(YCC)の運用の柔軟化を決めたことで、為替市場に影響を与える手段を持てるようになった。
木内氏はこう結んでいる。
「日本銀行は、金融市場で政策修正への期待を高めるような口先介入を実施する、あるいは国債買い入れ額を抑えることで長期金利の上昇を促し、円安をけん制することもできる。
ドル円レートは主に米国側の要因によって決まり、現時点ではそれらに不確実性が高いとはいえ、こうした点を踏まえると、1ドル150円台半ばが円安進行のピークになるものと現状では見ておきたい」
つまり、政府とタッグを組んだ「口先介入」の手段が、現時点ではまだ使える可能性があるというわけだ。