外国人材の受け入れ、「拡大すべき」は7割
調査では、女性のキャリアアップ支援や仕事と育児の両立、外国人材の受入れについても聞いている。
女性のキャリアアップ支援の「必要性を感じている」と回答した中小企業は84.3%に達するものの、そのうち6割弱が「十分に取り組めていない」と答えた。また、最も注力すべき対象・取り組みを聞くと、「若手の正規女性職員の能力・意欲向上」が28.3%で最も多かった。
仕事と育児の両立では、「(推進の)必要性を感じている」との回答が84.1%に達したが、やはり、このうちの約半数が「十分に取り組めていない」と答えていた。
「人手不足のため、子育て中の社員の仕事のカバーが難しい」(44.2%)ことや、「専門的・属人的な業務が多く、子育て中の社員の仕事のカバーが難しい」(37.5%)などの課題があるという。
政府などの子育て支援には、「保育の質・量の拡充」を求める声が47.6%にのぼり、最多。「子育て中の社員の業務をカバーする社内体制整備支援」(40.6%)などの声があがった。
また、男性の育児休業について、対象者がいる企業だけでみると、取得率「ゼロ割」は63.2%と6割を超える。取得日数は、「1か月未満」が全体の73.8%にのぼった。
一方、外国人材の受け入れについては、「受け入れを拡大すべき」とする中小企業は53.4%、「人手不足の業種・地域に限って受け入れを拡大すべき」が14.4%と、合わせて67.8%が「外国人材の受入を拡大すべき」と回答した。
家族帯同・永住でも、「積極的に推進すべき」が25.2%、外国人材の受け入れ拡大に伴い、「一定程度認めることはやむを得ない」の43.9%を合わせると、約7割の69.1%が「推進派」だった。
もっとも、課題も少なくない。課題に関する調査では「日本語による円滑なコミュニケーションが困難」が65.5%で最多。政府などに求める取り組みとしては、「受け入れ制度に係る手続き・書類の簡素化・迅速化」が53.9%と、5割を超えて最も多かった。「受け入れに係るコスト負担の軽減」の45.5%が続いた。
なお、調査は全国47都道府県の中小企業6013社を対象に、2023年7月18日~8月10日に各地の商工会議所職員による訪問やメールなどによる調査を実施した。回答は3120社(回答率51.9%)から得た。