価格よりサステナビリティ優先は、1割未満
さらに、調査ではサステナビリティな消費行動についても聞いた。
日ごろの消費生活で、サステナビリティに関わる消費行動について約30の項目をあげて実施状況を聞いたところ、20~74歳全体で「買い物の時はエコバックを持参するようにしている」と答えた人が73.8%にのぼり、最も多かった。
次いで、「リサイクル可能なゴミを分別して出している」が57.0%、「洗剤やシャンプーなどは詰め替えできる製品や量り売りのものを買うようにしている」が51.0%、「長く使える製品を買うようにしている」の45.7%と、4割以上で続いた。
一方、「価格が安くても、生産や製造時に人権に問題のある製品は買わないようにしている」(8.0%)や「価格が安くても、地球環境や社会に悪影響のある製品は買わないようにしている」(7.5%)、「価格が多少高くても、環境や社会問題に配慮された製品を買うようにしている」(5.4%)、「価格が多少高くても、環境や社会問題に積極的に取り組む企業の製品を買うようにしている」(4.3%)など、製品購入時に価格よりもサステナビリティを優先する行動は、いずれも1割に満たないことがわかった。
男女別でみると、男性は「電気自動車などのエコカーを選んだり、エコドライブを実践している」(男性11.6%、女性8.9%)で、女性より2.7ポイント高く、「新品を買うより、シェアリングサービスを利用する」(男性2.8%、女性2.0%)は0.8ポイント上回った。【図表3】
女性は「外出の際はマイボトルを持参するようにしている」(男性22.1%、女性46.7%)が男性より24.6ポイント高く、「洗剤やシャンプーなどは詰め替えできる製品や量り売りのものを買うようにしている」(男性39.2%、女性62.7%)が23.4ポイント高かった。「買い物の時はエコバックを持参するようにしている」(男性62.6%、女性84.9%)は、女性が22.3%ポイントも高かった。
しかし、その半面、女性でも価格よりもサステナビリティを優先した行動は1割に満たないという。
「つまり、女性のほうが男性よりサステナビリティを意識した消費生活を送っている。ただし、現在のところ、女性でも価格よりもサステナビリティを優先して製品を買う消費者はごくわずかである」(久我氏)
年代による違いをみると、全体的に年齢が高いほど選択割合は上がり、20歳代の19.8%、30歳代の16.1%が「特にしていることはない」と答えた。価格よりもサステナビリティを優先した行動は、高年齢ほど多い傾向があった。全体では1割に満たないが、70~74歳では「安価でも生産時に人権問題のある製品は買わない」(19.5%、全体よりプラス11.4ポイント)と「安価でも社会環境に悪影響のある製品は買わない」(17.7%、全体よりプラス10.2ポイント)で、全体を1割以上、上回った。