「働き方改革」は、経営にとってプラスになるのか?
中小企業の従業員は、働き方改革に対する職場の取り組み姿勢についてどうみているのだろうか――。
調査によれば、職場が働き方改革に「積極的に取り組んでいる」と答えた人は、4.4%にすぎない。「どちらかといえば積極的」と答えた人も37.0%で、合計しても41.4%と、半数に届かない。
大企業をみると、「積極的に取り組んでいる」と答えた人は13.5%しかいないが、「どちらかといえば積極的」とする人は52.5%にのぼった。合計すると、66.0%が「積極的」だった。
一方で、働き方改革は法律で定められたことであり、どの企業も進めなければならないが、経営者にとって気になるのは、働き方改革は経営にとってプラスになるのかということだろう。
調査では、最近3年間の職場の変化を聞いたところ、「企業にとってプラスといえる変化があった」と答えた人は、中小企業の場合で「売り上げや利益が増えた」と「仕事の効率や生産性が上がった」がそれぞれ8.4%、「転職・退職する人が減った」が6.4%、「求職者や新規採用者が増えた」が4.9%となった。
これを働き方改革に対する職場の取り組み姿勢が「積極的」または「どちらかといえば積極的」と答えた人と、「消極的」または「どちらかといえば消極的」と答えた人に分けてみると、いずれの回答も「積極的」が「消極的」を上回っていた。
働き方改革は、企業にとってもメリットがあることがわかる。
調査にあたった竹内氏は、
「働き方改革を進めて成果を上げている中小企業は少なくない。重要なポイントは、従業員とのコミュニケーションにあることを調査結果は示唆している。働き方改革は企業と従業員の共同作業なのである」
としている。
なお、調査は従業員10人以上の会社または個人企業で働く18歳以上の雇用者のうち、(1)役員、家族従業員ではない(2)現在の企業に3年以上勤務している――の条件をすべて満たす人を対象に、2022年6月22日~27日にインターネットで実施した。
回答者数は1000人。勤務先の従業者数を「10~19人」「20~49人」「50~99人」「100~299人」「300人以上」に分け、それぞれ男女100人ずつ。正社員が男女各350人、非正規社員が男女各150人になるよう振り分けた。