【2024年卒就活生の総括】キーワードは「配属ガチャ」...61.6%は「職種」自分で選びたい! マイナビ

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   2024年卒就活生にとっては売り手市場といわれていた就活戦線、実際はどうだったのだろうか?

   マイナビ(東京都千代田区)が2023年9月20日に発表した、2024年卒業予定の学生を対象とする、企業の採用活動と学生の就職活動などをまとめた「2023年度(2024年卒)新卒採用・就職戦線総括」によると、若手社員の人口減を背景に、企業側は旺盛な採用意欲を見せるも、採用自体は厳しい現状が明らかになった。

   採用を受けた学生にとっても、学生の「配属ガチャ」への不安を反映して「勤務地・職種ともに自分で適性を判断して、選びたい」が54.0%と過半数を超える結果になった。

内々定出しの時期、23年4月が「28.7%」...やや早期化の傾向

(マイナビの作成)
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   はじめに、企業側の採用予定数の前年度との比較のグラフを見てみると、2024年卒の採用を「増やした」は「21.0%」、「前年並み」が「73.5%」となっている。

   「減らした」は、24年卒は「5.5%」、23年卒は「8.6%」、22年卒は「12.6%」となっている。ここ数年よりは、採用数を絞った企業が少ないことがわかる。

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   また、どの企業でも内定出しで後れを取ることを懸念してか、2023年3月が面接開始時期とした企業が「44.5%」で最多となり、内々定出しの時期も2023年4月が「28.7%」とやや早期化の傾向が見られた。

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   一方で、採用する側の競争も激しくなっている。6月時点の採用充足率はここ数年で最も低下しており、求人に対してどの程度の採用が見込めるかを割合で示す「採用充足率」では、「0割」の企業が6月段階で「31.5%」だった。次いで、「1~4割」は「28.9%」、「5~7割」は「20.5%」、「8割以上」は「19.0%」と、両極端な結果が出た。企業側にとっては採用状況が厳しい年だったことがうかがえた。

イマドキの学生の関心が高いのは「配属ガチャ」と「福利厚生の充実」

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   一方で、勤務地や職種に対する考え方では、「勤務地・職種ともに自分で適性を判断して、選びたい」が「54.0%」で最多になった。

   次いで「勤務地は自分で選びたいが、職種は適性をみて会社に判断してほしい」が「32.9%」、「職種は自分で選びたいが、勤務地は適性を見て会社に判断してほしい」は「7.6%」、「勤務地も職種も、適性を見て会社に判断してほしい」は「5.5%」となった。

   この結果に対してマイナビでは、「学生の『配属ガチャ』への不安を反映して『勤務地・職種ともに自分で適性を判断して、選びたい』が54.0%で、『職種は自分で選びたいが、勤務地は適性をみて会社に判断してほしい(7.6%)』を加えると、61.6%が職種を自分で選びたいと回答している」としている。

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   こうした新卒者の不安感を感じてか、企業でも対策を行っている。「職種別コースを設定している ※職務を限定しない枠(総合職等)の設定はない」が「39.5%」。次いで、「職務を限定しない枠(総合職等)のみ(『一般職』『地域色』など勤務地限定や待遇が異なるが、職務を限定していない)」が「36.8%」、「職務を限定しない枠(総合職等)を含む、職種別コースを設定している」は「23.6%」となった。総合職としての採用でなく、職務別コースを設定しているのは2046社のうち、「63.1%」という結果になった。

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   また、2024年卒の学生の特長として勤務先、仕事内容に関心が高いがそれ以上に「福利厚生」への関心が高いようだ。調査によると、「福利厚生に関心があるか?」の質問に、「勤務地・仕事内容・給料よりも関心がある」は「6.4%」、「勤務地・仕事内容・給料と同程度関心がある」は「63.4%」となり、あわせて「69.7%」の関心があると答えている。

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   こうした、学生のニーズから、採用企業も広報で強みにしている内容を「福利厚生の充実」(71.5%)、「社風や雰囲気の良さ」(69.9%)、「研修など人材育成の制度の充実」が「53.6%」としてアピールしているようだ。

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   さらに、求人広報の強みとして人事制度等でPRしていることは「有給休暇の取得率」(55.5%)、「残業がないこと、残業時間が少ないこと」(43.4%)、「育児休業取得後の職場復帰率」(39.0%)が上位を占めた。

   これまでの調査の総括として、マイナビキャリアリサーチラボの東郷こずえ主任研究員は以下のようにまとめている。

「24年卒の新卒採用は新型コロナウイルス感染症の5類移行が決定するなど、全体的に明るい話題のなかスタートしました。
企業側の採用意欲はより高まり、売り手市場の様相を呈していたと思います。
学生のニーズに答えたい企業は『配属ガチャ』対策として職種別コースの設置や配属先を事前に告知するなどの工夫を行い、『福利厚生』への関心の高さに応えるために、採用広報でPRする企業が多く見られました。」
「このように言うと学生の立場がとても強いように思われるかもしれませんが、必ずしも学生が楽をしていたとは言い切れません。『配属ガチャ』や『福利厚生』への関心の高さの裏側には共働き志向の高まりなど、働き方への意識変化によって、就職先を決める際に、仕事だけでなく人生全体を捉える様子がうかがえます」
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