2つの項目の掛け算で成り立つ「営業成果の法則」とは? ポイントは「3つの知識」(大関暁夫)

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「情報知識」を使いこなし、業界の動きをいち早く知りニーズを先取り

   次に「情報知識」ですが、これは業界情報と教養情報に分類されます。

   業界情報は、お客様の企業情報とその属する業界の動向を知識とする必要があります。企業情報は、今は各社のホームページで把握できます。それをまずよく読むことは必須です。

   その際に、どの項目をしっかり見るべきなのか、管理者もまず自身が見て個別企業ごと特にこの事実は重要という点を教示してください。お客様の取引先に有名企業がある場合や、あるいは沿革で現在に至る特徴的な社歴などがあれば、それをしっかり認知させることが大切です。

   業界の動向は、特にお客様の納品先業界の動きをいち早く知りニーズを先取りするために、新聞やネットで情報をとるようにします。これは担当者任せにすると情報取りが甘くなりがちなので、管理者が自らおこなうのがいいでしょう。

   基本的には担当者たちが接している企業の業界ごと新聞の切り抜きや、ネットニュースなどの記事を独自にまとめて、各自に渡してあげることが望ましいです。

   管理者も常にお客様の業界情報を蓄えておけば、担当者への適宜アドバイスや同行訪問時のトークにも活用ができるので、一石二鳥と言えます。

   教養情報は、営業担当者が一般常識として経済活動にかかわる世の中の動きをちゃんと追いかけつつ、営業活動するために必要なことです。営業担当者は常に他社の営業担当者との比較にさらされているわけで、面談時の導入会話の内容などからも優劣を付けられる可能性は高いです。

   したがい、常にビジネス界を中心とした世の中の動きは、ウォッチしておく必要があります。営業担当者に求められる基本的な知識水準は、日経新聞レベルです。日々の日経新聞で大きく扱われる記事については、最低限追いかけて理解する必要があります。特にお客様が上場企業の場合には、その水準を必須そして指導してください。

   本来は日経新聞を部内全員にとらせて、毎日朝会などでその日の新聞記事について気が付いた点や、押さえるべき記事のポイントの共有、意見交換をするのが理想です。しかし、今や新聞購読料も高騰しているので、担当者の負担を増やすのは難しいかもしれません。

   そこで最低限して欲しいのは、部内で一部購読して回し読みすることです。できれば、管理者が朝一番でざっと目を通して、その日の注目記事や重要記事のポイントを説明してあげるといいでしょう。取引上で重要な記事は、切り抜いて回覧するなどの工夫も一考です。

   経験知識については、次回説明します。【つづく】(大関暁夫)

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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