画期的な「年収の壁」解決法となるか? 岸田首相の対策が遅すぎるので...時給が上がれば、扶養を外したくなる「時給相場の壁」活用しよう!

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元人事部長の主婦が、時短の専門職に就けば時給2000円以上でも高くない

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元人事部長の主婦なら、時給2000円でもおかしくない(写真はイメージ)

――「年収の壁」の解決には、何が一番重要で、どうしたらよいと考えますか。

川上敬太郎さん わかりやすく、かつ年収の壁を超えると、かえって手取りが減り、働き損が生じてしまう、というおかしな事態が発生しないように改革する必要があります。パート層の多くは、少しでも月々の手取りを増やしたくて働いているので、働き損が出るようでは本末転倒になってしまいます。
一方で、いまの制度のままですでに恩恵を受けている人がいること、働きたくても働くことができない人がいることなどを考慮すると、制度の変え方次第でどこかに痛みが生じてしまう可能性があります。
それでも抜本的な制度改革はしなければならいと思いますが、そもそもパートのような短時間勤務だから時給が抑えられ、扶養枠内に収められるという暗黙の了解については、市場原理の中である程度打破できる部分があると考えます。
たとえば、元人事部長だった主婦が、人事制度の設計や就業規則の改定といった専門性の高い仕事に時短勤務で就く場合、2000円を超える時給でも決して高くはないはずです。今回の調査で、時給が2000円を超えれば9割以上の人が扶養を外すと回答しています。

――なるほど、「年収の壁」に埋もれている人材がたくさんいるわけですね。「年収の壁」問題で、特に強調しておきたいことがありますか。

川上敬太郎さん 今回の調査結果を特に意識していただきたいのは、求人掲載を希望する採用企業や求人広告を取り扱う事業者の方々です。1500円で過半数、2000円で9割以上が扶養を外すとする「時給相場の壁」を意識した求人を増やすことで、年収の壁自体が不要になる可能性が高まります。
短時間や短日数ではムリという先入観を取り除き、短時間・短日数でも高時給の仕事を、いかに切り出せるかに知恵を絞れば絞るほど、扶養はどんどん不要になっていくはずです。

(福田和郎)

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