三菱UFJ信託、「暗号資産」に本気! グループで国産ステーブルコイン、国内信託初の「暗号資産信託」も検討

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機関投資家、ポートフォリオとして「暗号資産」が持てる

   三菱UFJ信託は、ブロックチェーン企業のGincoと「暗号資産信託」の提供に向けた検討も開始している。

   国内の信託銀行で初めてのサービスで、提供が可能になれば、企業にとっては資金調達の手段が多様化し、機関投資家にとってはコストの負担減と投資機会の損失を防げるというメリットが見込める。

   暗号資産の市場規模の拡大で、暗号資産のカストディ業務(機関投資家の代理人として、有価証券の保管・管理する業務)は今後10年間で、1兆円を超える市場に成長する可能性を秘めているとされ、国内での態勢整備が急務となっている。

   トークンの発行による資金調達は、セキュリティトークン(STO)や暗号資産といったトークンの種類によって規制が異なるものの、いずれもIPO(株式公開)よりも比較的容易に調達が可能という。

   暗号資産は改正資金決済法が適用され、インカムゲインは得られない。ただ、資金調達者側が形成する経済圏に参加できるという利点が見込める。

   現状、企業がトークンの発行によって資金調達したいと考えても、ベンチャーキャピタルなどの機関投資家たちは直接、暗号資産を投資対象にできないため、実務負担が重くなる。そうした課題解決のカギを信託銀行が握っている。

   暗号資産信託は、事業者と投資家の取引後のトークンの発行者から暗号資産(クリプト)を受け取り、信託受益権として機関投資家に還元する。信託の持つ法的性質の転換機能によって暗号資産を保有せず、経済的所有権のみ取得できるという仕組みだ。

   つまり、機関投資家はポートフォリオとして暗号資産を持てるようになるわけだ。

   トークンの発行体によって適切な税制が適用され、機関投資家によるトークンへの投資が可能なスキームを提供。日本がトークンの発行で魅力的な環境となることを目指す。

   その中で、三菱UFJ信託は暗号資産信託のスキームの開発や受託者として信託業務を提供するほか、暗号資産のカストディ業務を担う。

   Gincoは業務用暗号資産ウォレットの機能提供とトークン管理に必要な知見を示す。共同検討には新生企業投資やフィナンシェなどの計9社が加わり、今年度中の商用化を目指す。

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