アップルの新型スマートフォン「iPhone15シリーズ」が2023年9月22日、発売された。東京都渋谷区のアップルストア表参道などには、早朝から行列ができ、開店を1時間早めたほどだったが、果たして売れ行きは......。
モバイル専門の市場調査会社「MMD研究所」(東京都港区)が、「iPhone15シリーズ」発売前日となる、2023年9月21日に発表した「iPhone15シリーズに関する購入意向調査」によると、iPhoneユーザーの4人に1人が「購入したい」と答えた。
これって人気があるのだろうか。また、目下のところ、どんな機種の人気が高いのか。
人気ダントツ「iPhone15」、次に「15Pro」「15Plus」「15ProMax」
9月22日から日本で発売されているのは、「iPhone15」「iPhone15Plus」「iPhone15Pro」「iPhone15ProMax」の4機種だ。
今回、全国の15歳~69歳のiPhoneユーザー3184人とAndroidユーザー2210人の合計5394人を対象としたMMD研究所の調査では、まずiPhone15を購入したいかをOS別で聞いた。
その結果、iPhoneユーザーは「購入する予定」(9.1%)と「購入を検討している」(16.8%)を合わせて、4人に1人(25.9%)に購入意向があった。
一方、Androidユーザーは「購入する予定」(2.9%)と「購入を検討している」(5.5%)を合わせて購入意向は8.4%と、1割に満たなかった【図表1】。
これは、前回のiPhone14シリーズ発売時(2022年9月)の調査と比べると、購入意向はiPhoneユーザーが2.1%、Androidユーザーが0.5%それぞれ増加しているから、前回よりは人気が高くなりそうだ。
iPhone15の購入を検討している人に、どのシリーズを買いたいかを聞くと、人気上位は「iPhone15」(55.5%)、「iPhone15Pro」(18.9%)、「iPhone15Plus」(17.5%)、「iPhone15ProMax」(13.7%)の順となった【図表2】。
各シリーズの人気機種を容量ごとに聞くと、「iPhone15(128GB)」(34.7%)が最も人気が高く、次に「iPhone15(256GB)」(22.9%)、「iPhone15(512GB)」(14.1%)、「iPhone15Plus(128GB)」(11.6%)、「iPhone15Pro(256GB)」(10.0%)となった【図表3】。
3年以上端末を使う人7割、でも買い替えペースが早くなり...
ところで最近、iPhoneは新シリーズを発売すると、安くなった旧型の端末が売れる傾向が続いている。
そこで、iPhone14シリーズ以前の端末が安くなったら購入するかと聞くと、「購入する予定」と「購入を検討している」を合わせた購入意向はiPhoneユーザーが約3割の32.6%、Androidユーザーが約1割の11.7%となった。
一方で、「セール価格になっても購入する気はない」と答えた人が、iPhoneユーザーで約6割の59.7%、Androidユーザーでは9割近い85.5%もいた【図表4】。
毎年のようにiPhoneの新シリーズが発売される傾向に、やや冷ややかになっているのかもしれない。
このため、スマホ端末の買い替え頻度を聞くと、iPhoneユーザーは「3年に1回程度」(24.2%)が最も多く、次に「4年に1回程度」(21.1%)、「5年に1回程度」(15.8%)、「6年に1回以下の頻度」(10.5%)が続き、3年以上使う人が71.6%と7割を超えた。なお、Androidユーザーでも3年以上使う人が合計69.9%と、約7割に達している【図表5】。
毎年買い替える人は、iPhoneユーザーで2.3%、Androidユーザーでは1.4%しかいない。ごく少数派なのだ。しかし、前回のiPhone14シリーズの調査(2022年9月)時に比べると、「3年に1回以上」の割合はiPhoneユーザーが6.1%、Androidユーザーが3.2%それぞれ減少した。
買い替える頻度が早くなっているということだ。コロナ禍が落ち着いて、財布の紐も少し緩んだのだろうか。
調査は、2023年9月13日~14日、全国の15歳~69歳の男女6000人に予備調査を行なった。そのうち、iPhoneユーザー3184人とAndroidユーザー2210人の合計5394人を中心に、インターネットを通じてアンケートを行なった。
また、予備調査の段階でiPhone15シリーズの購入意向を示した481人に本調査を行ない、購入希望のシリーズなどを詳しく聞いた。(福田和郎)