社内イベント多く、和気あいあい過ぎる雰囲気は時代に逆行?
ところで、1社に長く勤める時代ではなくなったからこそ、社員同士の家族のような結びつきは敬遠され、割り切った人間関係を求める傾向が強くなっている。
実際に上位30社のクチコミからも、「社内イベントが多く、和気あいあいの雰囲気は時代の流れに反している」「昔ながらの飲み会文化が残っている」といったマイナスの指摘もあった。
こうした時代の変化に対して、「チームワークの良さ」が評価されている上位30社は、どう変わろうとしているのか。社員のクチコミから探ると――。
日本郵船「海運業界全体の不況、コンテナや自動車といった主力事業の採算悪化などに伴い、コスト管理や新しい事業への投資等に真剣に目を向けるように変化していることは感じる」(管理部門、男性)
日揮ホールディングス「2021年に制定した2040年ビジョンに従って企業変革を進めている。90年以上の伝統を誇る企業でありながら自由闊達で、挑戦をよしとする文化がある」(経営企画、男性)
東急不動産「もともと年功序列の考え方がかなり強かったが、近年は実力主義の考え方を取り入れつつあり、会社として変革期を迎えている印象を受ける」(総合職、男性)
ソニーグループ「他の企業との比較ではないが、組織は大企業特有の縦割りの名残がある。大きな改変を繰り返して、横のつながりも少しずつ強化されている。最近は優れた企業の買収やグローバル人材の確保に力を入れており、研究開発の一部部門は会議が英語化されるなどしている」(研究開発、男性)
それぞれの会社が、社員の結束力の強さといった日本企業が築き上げた強みを生かしながら、若手のやる気を大いに活用するシステムを取り入れ、時代の大変化に立ち向かっている姿が浮かんでくる。
調査はOpenWorkに投稿された、設立50年以上・従業員1000人以上の日系企業が対象。新卒入社した20~30代の現職社員による会社評価レポート7万5038件を集計・分析した。(福田和郎)