犬は猫よりもお金がかかり、iPhoneユーザーは年収が高い
それにしても、なぜ犬と同居している人はiPhoneスマホが多く、猫と同居している人はAndroidスマホが多いという結果が出たのだろうか。J‐CAST 会社ウォッチ編集部では、モバイル社会研究所の調査担当者に聞いた。
――実は私自身も、これまで猫を4匹飼ってきて、Androidを使っていますから、今回の調査結果に該当することに驚いています。猫とAndroidのことなど意識したことがないのですが、これは何かiPhoneとAndroidの機能の違い、あるいは値段、特性が、猫と犬の違いに影響を与えているのでしょうか。
調査担当者「iPhoneとAndroidの違いが、直接的に犬と猫を飼うかどうかの違いに影響しているかは不明です。ただ、その人のライフスタイルや趣味、嗜好が間接的に、同居ペットの種類と利用端末(iPhone、Android)に関係している可能性はあります」
――それはどういうことですか。これまでにも、iPhoneとAndroidを持つ人の間で、ライフスタイルや趣味などに違いがあるという調査をしたことがありますか。
調査担当者「いくつか学会(日本行動計量学会など)で研究発表しました。たとえば、ユーザーを世代別に見ると、iPhone派が多いのは1947年~1949年生れの団塊世代、1965年~1970年生れのバブル世代、1987年~2001年生れのさとり世代です。また、性別は女性が多いのが特徴です。
一方、Android派が多いのは、1950年~1964年生れのしらけ世代、1971年~1974年生れの団塊ジュニア世代、1975年~1986年生れのポスト団塊ジュニア世代です。性別は男性が多いといった違いがあります。
また、世帯年収は全体的にiPhone派のほうがAndroid派より多い傾向にあります」
――そういうことまで分析してきたわけですね。私もAndroid派のしらけ世代ですから、これまた、該当しました。
調査担当者「両方のユーザーの特徴をみると、iPhone派はスマホを持ち始めた時期が早い傾向にあり、スマホ操作の習得方法は、iPhone派は『人から教えてもらった』『インターネットで調べた』という人が多かったです。
一方、Android派は『取り扱い説明書や参考書で調べた』『手探りで習得した』という人が多かったですね」
――なるほど。どちらかというと、iPhoneユーザーは活動的、かつ収入が多い傾向が出ていますね。そうしたiPhoneとAndroidを持つ人のライフスタイルの違いが、今回の犬と猫の差になって出たというわけですか。
調査担当者「はい。これから述べるのは個人的な感想です。最近は、室内飼いが増えており、犬も猫の同居には居住環境や経済的なゆとりなども関係してくると思います。これも推測の域を出ませんが、犬は猫よりも広い活動スペースや周囲への騒音配慮などの経済的ハードルがより高くなります。
また、スマホが出始めた初期の段階から、スマホを所有したユーザーについては、iPhone比率が高く、経済的なゆとりも高いと仮定すると、このようなユーザーの存在が間接的に同居ペットの種類とiPhone比率との関係に影響することも要因として考えられます。
なお、猫と同居している人はAndroid比率が51.6%ですが、犬や猫と同居していない場合の人(Android比率が47.6%)と、比較して少し高い程度なので、たまたまの結果なのかもしれません」
調査は2023年2月、全国の15歳~79歳の男女7166人を対象にWebで行なった。(福田和郎)