読売、産経も珍しく批判的...「制度の歪みも露呈」(読売)、「不断の見直しに取り組む必要」(産経)
これに対し、政府の政策をあまり批判しない読売新聞(8月17日)と産経新聞(8月13日)は、「財政基盤の弱い自治体にとっては、寄付金を子育て支援などの課題解決に活用できるほか、返礼品の調達を通じ、地元産業の振興を図れるという利点がある」(読売新聞)など、基本的に制度を評価する姿勢は変わらない。
一方で「利用の拡大に伴い、制度の歪みも露呈している」(読売新聞)などと、問題が多いことは認め、「不断の見直しに取り組む必要がある」(産経新聞)と書く。
ただ、具体的にどうするかについては、読売新聞が、富裕層の利用に上限額を設けることや、控除の割合(住民税の約2割まで)の引き下げなど、産経新聞は経費基準などを厳しくすること、仲介サイトに対して手数料の引き下げを促すことを求める程度。
抜本的な改革への言及は弱いと言わざるを得ないが、政府支持の2紙としては、珍しく批判的な社説ではあった。
各紙の論調をみても、ふるさと納税という制度が本当に必要なのかを含め、根本的に見直す時期に来ているのは間違いないようだ。(ジャーナリスト 白井俊郎)