各紙の論調は? 日経、評価しつつも「使命終わった」と言わんばかり...毎日・朝日は批判一段と強める
毎年夏に総務省が前年度の実績をまとめており、これを受け、この夏も大手紙各紙は一斉に社説(産経新聞は「主張」)で取り上げた。
目を引いたのは日本経済新聞(9月4日)だ。
「返礼品の需要が地場産品の振興を支えている。知名度の乏しい産地が消費者に知ってもらう意味は大きい」と、従来からの主張通り、これまでの成果は評価する。
だが、今回の社説では、従来からの規模抑制の必要から一歩踏み込み、「制度開始から15年たち、その役割は果たしつつあるのではないか」と、「歴史的使命は終わった」と言わんばかりの書きぶりに転じた。
特に都市部からの税金の流出について、「都市部の不満が限度を超えれば制度の持続性に疑念が生じる」と強い表現で警告しているのが目立つ。
従来から問題点を強く指摘してきた毎日新聞(2023年8月4日)と朝日新聞(8月13日)は、批判を一段と強めている。
毎日新聞は「税制をゆがめる膨張ぶりだ。もはや放置できない状況」、朝日新聞も「不合理や不公正が広がるのを、これ以上放置してはならない」と、現状が許容限度を超えているとの基本認識を改めて明確にする。
そのうえで毎日新聞は、「最終的には返礼品を廃止し、見返りなしの寄付だけとする制度に変更すべきだ」とし、朝日新聞も「返礼品の廃止や利用枠の大幅縮小など、制度の根本からの変更が不可欠」と、返礼品を柱にした現行制度の事実上の終了を求めている。