ウォール街、大ショック! FRB予想通り利上げ据え置き、でも「タカ」の爪ギラリ...エコノミストが指摘「引き下げません、インフレに勝つまでは!」

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景気後退に自信持つFRB、その余裕いつまで続く?

米国経済はどうなる?(写真はイメージ)
米国経済はどうなる?(写真はイメージ)

   一方、FRBの「余裕のある政策姿勢」がいつまで続くのかと疑問を投げかけるのが、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏だ。

   木内氏はリポート「追加利上げの有無から、利下げ時期とペースに焦点が移る(9月FOMC)」(9月21日付)のなかで、FRBは先行きの景気に自信を深めているが、依然としてFRBの金融政策には不確実性があると指摘する。

「利上げは最終局面にある可能性は高いとはいえ、この先のFRBの金融政策については、なお不確実性が高い状況だ。基調的な物価上昇率の再加速が続けば、次の利上げが最終とはならない可能性も残されている。
一方、景気情勢が来年(2024年)に入ってから予想外に下振れれば、想定以上に大幅な利下げが実施され、長期金利、ドルともに大きく低下する可能性がある。 他方で、基調的な物価上昇率が再加速する一方、景気情勢が悪化して、スタグフレーション的様相が強まる場合には、FRBの金融政策のかじ取りはにわかに難しくなり、またその場合、金融市場は混乱しやすくなる。
米国経済が今のように予想外に堅調なうちは、FRBは安心して、政策金利を高水準に維持し、物価安定回復に向けた強い姿勢を示すことができる。現在のFRBの政策姿勢には、かなり余裕がある状況だ。現状では、FRBの思い切った金融引き締め策は、うまくいっているように見える」
米1ドル紙幣
米1ドル紙幣

   しかし、と木内氏はこう懸念を示すのだった。

「今後の経済動向次第では、金融政策運営の難易度は一気に高まる。最終的に景気の悪化、金融システムの不安定化などが生じれば、FRBの政策手腕についても、一転して厳しい評価がなされていくことになるだろう」

(福田和郎)

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