ブラック企業についての調査...働いてみてどうだったか? 「退職した」55.3%、「体調を崩した」35.9%、「精神を病んだ」も31.1% 「女の転職type」調査

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   2000年代頃から職場環境の悪かったり、ハラスメントの横行していたりする会社が「ブラック企業」と呼ばれるようになったが、さて働き方改革の進んだ令和では状況はどうなっているのだろう?

   そんななか、キャリアデザインセンター(東京都港区)は2023年9月19日、自社で運営する女性の転職に特化した転職サイト『女の転職type』を利用する女性661人を対象に、「ブラック企業」についてアンケート調査を行い、その結果を発表した。

   調査結果によると、今の職場が「かなりブラックだと思う」が21.0%、「ややブラックだと思う」が37.1%で、あわせて58.1%の人が職場のブラックさに悩んでいるらしい。また、ブラック企業で働いたことがある人は、全体では70.0%。40代では76.7%となった。

   さらに、ブラック企業に勤めて最終的にどうなったかを聞くと、「退職した」が55.3%。次いで「体調を崩した」は35.9%、「精神を病んだ」が31.1%となり、心身に影響が強く出ているケースも少なくないようだ。

  • ブラックな職場はまだ多いようだ(写真はイメージです)
    ブラックな職場はまだ多いようだ(写真はイメージです)
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ブラック企業の特長...「仕事に見合わない低賃金」61.3%、「ハラスメント、いじめが横行」53.6%、「長時間労働を強いる」51.2%

(女の転職typeの作成)
(女の転職typeの作成)

   はじめに、「今の職場はブラック企業だと思う?」と質問した。最多は「ブラックだと思わない」で「37.7%」を占めた。次いで「ややブラックだと思う」は「37.1%」、「かなりブラックだと思う」が「21.0%」となり、「ブラックだと思う」の合計は「58.1%」と過半数を占めた。

(女の転職typeの作成)
(女の転職typeの作成)

   続いて、これまでの経験でブラック企業に勤めたことがあるかを聞くと、全体では「70%」となり、30代は「71.6%」、40代では「76.7%」。年代が上がるにつれて、全体平均を上回る結果となった。

(女の転職typeの作成)
(女の転職typeの作成)

   さて、具体的にどういう点が「ブラック」だったのかを質問した。

   最多は「仕事に見合わない低賃金」が「61.3%」、次いで「ハラスメント、いじめが横行」が「53.6%」、「長時間労働を強いる」が「51.2%」、「休みが取れない」が「42.8%」、「休憩時間がない」は「35.9%」となった。

   このほか、「残業代・給与等の不払」(33.3%)、「違法行為が行われている」(22.9%)、「退職させてもらえない」(13.8%)など、このあたりは公的機関に相談した方がいいケースだ。

   さらに、回答者からは、「暗黙のルールがいくつもある」(20代/事務・経理・人事系/愛知県)、「健康診断を受診させてもらえない」(50代/その他/千葉県)、「仕事以外の行事が多い」(40代/事務・経理・人事系/大阪府)、「急な雇用変更」(30代/サービス・販売系/東京都)などの意見が上がっている。

ブラック企業に転職しない方法は? 「口コミサイトで評判を調べる」66.1%、「離職率を確認する」65.1%、「残業時間、残業代を確認する」59.6%

(女の転職typeの作成)
(女の転職typeの作成)

   つぎの質問では、ブラックな状況を誰に相談したかを聞いた。最多は「友人・知人」で「51.8%」、次いで「家族」は「44.7%」、「同僚」は「36.9%」となった。

   ブラックな環境にしている「上司」に相談した人は「18.1%」、「国や自治体等の相談窓口」だと「7.3%」、「人事」は「5.4%」となった。その他の回答としては、「医者」「ハローワーク」「派遣元の担当者」などもあったようだ。

(女の転職typeの作成)
(女の転職typeの作成)

   また、ブラック企業で働いて結果的にどうなったかを質問すると、最多は「退職した」(55.3%)。次いで、「体調を崩した」(35.9%)、「精神を病んだ」(31.1%)、「転職した」(29.6%)、「転職活動中」(20.7%)という順になった。3割程度の人が心身に影響が出ている結果だ。

   「女の転職type」では「17.1%の人が『我慢してまだ働いている』と回答しており、『転職活動中』20.7%と同程度となっていることから、現職にとどまりながら転職活動に取り組んでいる人がいる様子が推察される結果となりました」とコメントしている。

(女の転職typeの作成)
(女の転職typeの作成)

   最後に、ブラック企業への就職を回避する方法について質問した。最多は「口コミサイトで評判を調べる」が「66.1%」、次いで「離職率を確認する」が「65.1%」、「残業時間、残業代を確認する」が「59.6%」となった。

   その他の回答としては、「面接時に怪しいと感じることは勇気を持って聞く」「職場見学」「正式入社の前にお試しで働く」などが上がった。

   女の転職type編集長の小林佳代子氏は、以下のように今回の調査を総括している。

「7割が『ブラックだと思う』企業で働いた経験があるということで、非常に多い結果でした。
今の職場についてもブラックだと思う人の方が約6割と多数派で、労働環境に悩みを抱える人が多いことが伺えます。いざという時は公的機関やNPO、専門家等に積極的に支援を求めてくださいね」
「入社してみて『思っていたのと違った』とならないためには、ネット上の情報だけでなく、面接での確認が重要になってくると思います。転職で自分が叶えたいと思っていることをしっかり伝え、それが叶えられそうか確認しましょう。上司になる人との面談や職場見学などもおすすめですよ」
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