気鋭のクリーンテック企業の創業者が、起業するまで 「日本にいてはダメ」海外で学び、商社で鍛え...そして、セーリングで気づいた「自然との共生」への思い【後編】/Nature株式会社 創業者・塩出晴海さん

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「その人だけの真実」にとらわれていると、その人が持っている能力を発揮しきれない

   インタビューの最後、話題は再び塩出さんの人となりについてのものになった。塩出さんの趣味などを事前に聞いていたが、そこには「ヨット、ダイビング、トライアスロン」といったアウトドアなものに並んで「瞑想」という言葉もあって驚いた。これについて聞くと、話は大きく膨らんだ。

――ご自身を高めるために瞑想をなさっているそうですね。瞑想って、どうやるものですか。私などは、頭の中にあれこれと雑念が思い浮かんできそうですが......。

塩出さん 瞑想は頭に浮かぶさまざまなことを無視する作業、といえるでしょうか。思い浮かぶいろんな思考を1つひとつ切り離していくのです。たとえば、お腹がすいて、バナナが食べたい――。その考えが思い浮かんでも、わきに置き、自分の呼吸に集中することを繰り返すのです。
自分の呼吸に集中できるようになってくると、途中で何かが起きても「何か起きているな」とその状況を客観視できるようになれる。すると、揺るがない心となっていくわけです。

――そうした集中力、客観視がおそらく経営者として判断を重ねるときには欠かせないのでしょうね。

塩出さん 仕事でもそうだと思いますが、「その人だけの真実」にとらわれていて、その人が持っている能力を発揮しきれないことって、けっこうありますよね。そこで大事なのが、自分を客観視すること。何に縛られていて、力を発揮できないのか――。そういったことの気づきにつながるので、瞑想はいいと思います。ちょっと修行に近いかもしれませんが(笑)。

――なるほど。瞑想を極めていくと、何が起きても動じない「不動心」が得られそうですね。

塩出さん まさにその通りです。もうちょっとお話させていただくと、瞑想中に浮かんできた思いを「観察」していくのです。さらに、日常生活で何か起きた際、人間はそれに対して反応しますが、そういった反応も「観察」していく。そう、「観察し切る」のです。そうすると、客観的になれるものです。瞑想とは、「客観的になるための訓練」なのかもしれません。

――日々、忙しいビジネスパーソンのみなさんへのヒントを得られたような気がしました。お話、ありがとうございました。

(構成/J-CAST会社ウォッチ編集部 坂下朋永)

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