タレントを思えば、おのずと答えは出てくる?
――ジャニーズ事務所の先日の記者会見をどう評価するのか。また、ジャニーズ事務所という名前を残すことについて、どう考えているのか。
十倉会長「個別の事象について、あれこれ言うことは控えたい。また、事務所の名前についても私個人の意見は持っていますが、控えたい。ただ、被害者の救済と同時に、タレントさんの活躍を長く奪わない、うまいやり方があるのではないか。そういうことを考えると、選択肢はそう多くないはずです。答えはおのずから出てくるのではないでしょうか」
ジャニーズ事務所という名前を変えたらいいのではないか、と暗に語っているようにも受け取れる。
なお、事務所の名称変更問題に関しては、ジャニーズ事務所が公式サイトに9月19日、「今後の会社運営に関するご報告」を発表、変更することを示唆している。
さて、ネット民の間では、ジャニーズのタレント起用をめぐる問題で、十倉雅和・経団連会長の発言と、同じく財界トップの1人、新浪剛史・経済同友会代表幹事の発言との大きな「温度差」が注目されている。
新浪氏は9月12日の経済同友会の記者会見で、
「ジャニーズ事務所のタレントを起用することは、チャイルドアビューズ(child abuse、子ども虐待)を企業が認めるということであり、国際的には非常に非難のもとになります」
と語った。そして、「所属タレントには罪がない」という意見があることについては、
「事務所で働くタレントの方々には大変心苦しいことではあるが、ほかの事務所に移るなどいろんな手があるのではないか」
と述べたのだった。
「一般社員だってモノではないし、日々研鑽を積んでいますが...」
今回の経団連の十倉会長の発言をめぐり、ヤフーニュースコメント欄ではさまざまな意見が寄せられているが、批判的な意見が圧倒的だ。
「ほとんどの企業の社員だってモノではないし、日々研鑽を積んでいるのではないだろうか。それでもトップが深刻な犯罪を行ない、その後継者が不十分な対応しか取らなければ、大手企業は社会的責務としてそうした犯罪企業と取引の打ち切りをするのではないだろうか。社員が気の毒なのはジャニーズもそれ以外の企業も同じ。それでも犯罪を見過ごしたり、手心を加えたりすべきではないのでは」
「この人は万博協会の『会長』ですよね。先日、万博協会副会長の大阪府知事、大阪市長から万博のPRでジャニーズのタレントを継続利用する旨、発表があったが、会長、副会長ともに同じ感覚のようだ。コンプライアンス無視、国際感覚欠如、時代遅れ。自己中心的な判断としか言いようがない。この人たちに任せて、大丈夫なのか」
「企業でなくとも高校生の部活だって、部員の1人が喫煙すれば出場停止になったりするし、そんな時にいちいちこんな議論がされていただろうか。結局、ジャニーズに対して甘々なんだよね。受け入れるしかない高校生と違って、タレントには移籍するって手段だってあるわけだし」
「経団連トップの見識って、この程度なのでしょうか? びっくりというか、呆れたというか。世界市場で厳しい競争をしている大企業が傘下に多いのですから、国際基準の考え方をなさっているのかと思っていたら、当たり障りのないことしか言えない。これが各国に報道されたら、日本の経団連はこの程度かと判断されるだけなのでは。疑問ばかり残りました」