気兼ねなく有休の取得を申し出ることができる職場の雰囲気づくりで、定着率向上を!
また、若手社員600人に「あなたには、キャリアビジョン(仕事における目標や将来のありたい姿)がありますか?」と聞くと、「ある」が「59.3%」(356人)、「ない」が「40.7%」(244人)という結果になった。
こうした結果を受け、「キャリアビジョンがある」と答えた回答者(356人)に対して、「現在の勤務先で、あなたのキャリアビジョンを実現できると思いますか」と質問すると、「ある(できる)」が「62.9%」(224人)、「ない(できない)」が「37.1%」(132人)を占めた。
ここでさらに、「キャリアビジョンを実現できない」とした132人に理由を聞くと、「昇進・昇格が難しい」は「34.1%」、「会社や業界が将来性に乏しい」が「31.1%」、「希望する仕事ができない」が「27.3%」を占める結果になった。
アデコ株式会社ピープルバリュー本部長の籾山直威氏は、調査の総括として以下のようにコメントしている。
「アンケートの結果、勤務先に残ることを選んだ社員も、8割以上が退職・転職を考えたことがあることがわかりました。その理由としては、『年収が少ない』が1位となっていました。将来的に退職や転職を検討する要因となるものについての質問に対しても、もっとも多かった答えは『「年収のダウンや伸び悩み」で、若手社員にとって給与・賞与が大きなファクターになっていることが伺えます」
「しかし、これらの人財は、結果的に勤務先に残ることを選んでいます。その理由としてもっとも多く挙げられたのは、『有休が取りやすい』であり、現在の若手社員は、収入よりもワークライフバランスを重視している可能性があることが分かりました。有休の取りやすさは、制度よりも、同僚や先輩・上司との関係をはじめとする職場環境に大きく左右されます。気兼ねなく有休の取得を申し出ることができるような職場の雰囲気づくりに取り組むことが、若手社員の定着率向上につながると考えられます」
なお、この調査は2023年4月27日から5月12日までの期間、2020年4月に新卒として入社し、その企業での勤務が4年目を迎えた日本全国の若手社員600人(男性:300人、女性:300人)を対象にインターネット調査を楽天インサイトに依頼した。