リモートワーク、副業解禁...これからの上司はどう対応すべきか?

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ヤフー、ノジマなど「人を活かすマネジメント」先進事例

   第2部では、「人を活かすマネジメント」に取り組む5社の先進事例を紹介している。

   たとえば、インターネットサービスを展開しているヤフー。2014年から社員がオフィス以外の好きな場所で働ける「どこでもオフィス」を導入した。それでも大きな混乱や問題は生じることなく、スムーズに対応できたという。

   そのポイントとして、長らく「1 on 1」という、上司と部下の1対1の面談制度を週1回行っていることを挙げている。

   リモートワーク下でも週に1回はオンラインも活用して、仕事の報告や打ち合わせを行い、場合によっては悩み事の相談もできるという。

   同社の人材育成方針の基本には、「会社と社員はフラットで対等な、イコールパートナーである」という考え方がある。IT系の会社では、キャリアアップのための転職はごく普通なので、「ヤフーならこんな経験ができる」と思ってもらえる選択肢をいかに広げていけるか、という観点で施策を考えているそうだ。

   家電専門店を展開するノジマは、コロナ禍で日本航空や全日空からの出向者を受け入れ、大きな反響を呼んだ。それを実現したのは、同社の経営理念の一つ「社会に貢献する経営」を具現化した日頃のマネジメントにあったという。

   人件費削減のためのメーカーからの販売員派遣をよしとせず、自社社員による顧客本位の店舗営業に長けていたことで、出向者が現場で活躍できるようになった、と前川さんは評価している。具体的に同社では「マニュアルなし。顧客のためにできることを各自が考える」「ノルマなし。自分で目標を決めることが成長につながる」などに取り組んでいる。

   今日のマネジメント手法の発祥をたどると、1900年代初頭に米国の経営学者フレデリック・テイラーが提唱した「科学的管理法」にさかのぼる、と前川さん。この「人をモノ扱いする科学的管理手法」から決別し、上司一人ひとりが固定観念や無意識の偏見の呪縛から抜け出すようことを求めている。(渡辺淳悦)

「部下を活かすマネジメント『新作法』」
前川孝雄著
労務行政
2420円(税込)

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