最初の製品は、クラウドファウンディングで資金を集めて作った!
同社では現在、主力の「Nature Remo」にくわえ、スマホHEMS(Home Energy Management Service)の「Nature Remo E」も展開している。こちらは、スマホアプリから、発電・蓄電などの電力状況をリアルタイムに把握できるものだ。そのうえ、過去の消費電力量のモニタリング、太陽光パネル、蓄電池、EVパワーステーションのコントロールなどが簡単にできる。自宅で太陽光発電をしている人にとって便利な製品で、ファンも多い。
だが、モノづくりに苦労はつきものだ。
――製品開発の際の苦労には、どんなものがありましたか。
塩出さん 製品開発は、もう、苦労しっぱなしですね。その中でも一番印象に残っているのは、最初の製品化を進めていた時のことでしょうか。あの時は、本体のプラスチックの成形がなかなかうまくいかなかったのです。試作をつくるために協力を仰いだ香港の町工場の担当者さんに「こうしてほしい」と何度もお願いしたら、しまいには「こんなに厳しい条件でプラスチックの成形ができるか! そこまで言うなら自分でやれ!」と電話越しに怒鳴られてしまったこともありました。
――そんなことがあったんですね。
塩出さん また、最初の製品は、クラウドファウンディングで資金を集めて作ったのですが、クラウドファウンディングの返礼品としてNature Remoをお届けするつもりが、スケジュール通りにいかず...支援してくださった方に心苦しい気持ちでしたね。
――艱難辛苦の末に、Nature Remoは誕生したのですね。Nature Remoをユーザーにお届けした際の反響はどんなものでしたか?
塩出さん 正式に発売された時は「魔法のような体験だ!」といった声が寄せられ、これはうれしかったですね。今もスマートリモコンを知らなかった方が始めて使うと、驚かれます。その一方で、ヘビーユーザーの方からは「この機能をもっとこうしてほしい」といった要望が寄せられることも多いです。