安い・美味しい・ボリューム満点・居心地抜群...「町中華」に活路を!
経営者からこんな苦渋の意見が寄せられた。
「私の経営している店も、原価率は5割を超えています。値上げをすればよいと素人は簡単に言いますが、確実に客離れを起こします。値上げによって客足が減少して、それでも商売が成り立つかが問題です。
私のようにオーナーだと、正社員やアルバイトの生活も考えないといけないです。家族のような従業員が決して生活に困らないよう、次の職場が決まってから徐々に店を縮小させて閉じようと考えています」
それでは、続いているお店の違いは何なのだろうか。こんな意見を最後に紹介したい。
「続いているお店。それは、ラーメン屋ではなく町中華。『いちおう、餃子とラーメンもあるよ』の店。この手の店は、何十年来の地元の固定客がいる。雑誌に載ることもTVに出ることもまずない」
「いや。町中華はある日突然、町中華姐(ねえ)さんか、伝道師が訪ねてくるよ」
町中華(まちちゅうか)とは、地域の人々に愛される大衆的な中華料理店のこと。安い・美味しい・ボリューム満点・居心地抜群の4拍子がそろった店で、昭和の時代にはよく駅前にあった。実は最近、テレビに出ることもある。
2019年4月から月曜夜にBS-TBSで放送されている「町中華で飲(や)ろうぜ」という、全国どの町にもある昭和な町中華をぶらりと訪れて飲み歩く番組がそれだ。「町中華姐さん」ことモデル・タレントの高田秋さんと、「町中華の伝道師」こと女優の坂ノ上茜さんが週替わりで出演。もちろん、ラーメンもすすりながら、地元の酒に大いに舌つづみを打つ。
ラーメン店が生き残る道に、「町中華」という手もあった!?(福田和郎)