未婚者が結婚相手に求める条件...2000年代に入って、男性は女性に「経済力」、女性は男性に「経済力」「容姿」求める割合高まる【人口問題2】(鷲尾香一)

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子どもの希望数...男性は1.82人、女性1.79人 「子どもはいらない」...男性11.1%、女性13.1%

   新型コロナの影響もあってか、特に男性が女性に対して、前回調査から女性の経済力や仕事との両立を希望する傾向が強まっている。

   結婚の意思のある18~34歳の未婚者に、子どもを何人ぐらい欲しいのかをたずねると、男性で1.82人となり、女性では初めて2人を下回り1.79人となった。(グラフ3)

   年齢層別でも、今回調査で初めて男女ともにすべての年齢層で2人を下回っており、特に30~34歳の男性では前回調査の1.83人から1.58人に、25~29歳の女性では2.03人から1.75人に、30~34歳の女性では1.78人から1.50人に大きく低下した。

   そこで、希望子ども数の分布を見ると、今回調査で男女ともに、初めて「子どもはいらない」が1割を超え、男性は前回調査の8.5%から11.1%に、特に女性では6.9%から13.1%へと大きく上昇した。(グラフ4)

   加えて、「1人」という回答も男性10.9%、女性10.5%と男女ともに初めて1割を超え、未婚者の間で、無子・少子志向が強まっていることが明かになった。

   また、子どもを持つことを希望する未婚者に理由をたずねると、男女ともに、「子どもがいると生活が楽しく心が豊かになるから」が男性68.1%、女性72.8%でトップ。

   だが、一方で、「結婚して子どもを持つことは自然なことだから」は男性が前回調査の48.1%から33.5%に、女性も38.8%から23.8%へと大幅に減少している。さらに、女性では「好きな人の子どもを持ちたいから」が56.0%から47.2%へと減少している。

   このように、子どもを希望する未婚者でも、結婚して子どもを持つことは自然な流れという感覚は減少傾向を強めているようだ。

   第1回と今回は未婚者の結婚、出産・子育て、仕事に対する考え方を取り上げた。第1回で取り上げたように、未婚者には異性との交際を望まず、生涯結婚しないという人が増加している。さらに、結婚しても子どもはいらないという人も大幅に増えている。

   次回は、既婚者の現在の結婚、出産・子育て、仕事に対する考え方を取り上げてみたい。【第3回につづく】

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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