相手を動かすのがビジネスの要点
本書は「伝える」「伝わる」からさらに踏み込み、「伝わった結果、相手が期待以上に動いてくれる」ことをゴールにしている。
また、シミュレーションの設定が豊富である。「何か意見はないですか?」と尋ねても、積極的な意見が出されることは稀である。管理職の役割のひとつに、「課題解決」がある。課題を追求するのではなく、将来の課題を設定し、解決策を導き出す行動特性になる。これも、自分ごととしてとらえなければ、成果にはつながらない。
非効率な仕事でも事実が積み重なると、「仕事をした気分になる」から不思議なものである。もし「私のことだ!」とピンときた方は、本書をめくっていただきたい。
・何を話すか最初に宣言すれば、相手をイライラさせない
・プライドの高い上司には、偉人の言葉を借用する
・褒めるよりも、「下から目線」で教えを請う
・ちょっと厚かましい「前提条件」を設ければ、断られない
・相手の「行動」を聞くと、雑談が弾みだす
・やんわり否定したいときには、「思考」を尋ねる etc.
こんなちょっとのコツで、仕事も人間関係も、劇的にうまくいくようになる。積極的に意見を述べ、参加意識も高い会議にするには、やり方にコツがありそうだ。あなたの会社ではどうだろうか。気持ちを新たに出席したいものである。(尾藤克之)