なぜ「12歳」からなのか?
著者の鳥谷さんは、中学1年生で、国語の授業で教科書を読んでいるときに、はじめて緊張を覚えたそうだ。先生に当てられて、ただ決まった文章を数行読むだけなのに、声がふるえて息が苦しくなってしまった。
それ以来、人前で本を読むことがこわくなり、出席番号順で「今日あたりそうだな」とわかっているときは、仮病を使って、保健室ににげこむようになっていた。
本書のタイトルにある「12歳」にはどのような意味があるのか――。おそらく、中学1年生が読むことを意識して、このようなタイトルになったのだろう。人見知りや緊張しやすいことを意識するのは、中学1年生くらいが多い。この時期に自覚できないと、人に対して「苦手意識」をもつ可能性がある。
対策を講じるなら、自覚したときがベターだということになる。そこでたとえば、親が読んだ後に子供に読ませればいい。思春期の、自我が芽生える時期だからこそ、何らかの気づきがあるかもしれない。毎日の生活で無理なく実践すれば、早期克服も容易だろう。