コロナ禍が示した「近未来」...鉄道会社はどう生き残る?

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人口減少に苦しむ地方での試み

   人口減少に苦しむ地方での試みも数多く取り上げている。

   東日本大震災で被災した三陸沿岸の大船渡線、気仙沼線について、BRT(バス高速輸送システム)で運行が始まったが、運転手不足に対応するため、JR東日本は22年12月から一部で自動運転を導入した。JR西日本もソフトバンクと組んで、隊列走行するバスの走行試験を始めた。

   異業種からの参入も始まった。三菱商事は西鉄と組み、AI(人工知能)を活用したオンデマンドバスを実用化し、全国の交通事業者に売り込み始めた。

   また、博報堂は富山県朝日町でライドシェアサービスを展開。ハンドルを握るのは「ご近所さん」。町民ドライバーが運転し、それに1回600円を払う。そのうち200円を実費としてドライバーとなる町民に還元する仕組みだ。

   21年10月以降は朝日町の単独事業として独り立ちし、博報堂は浜松市に舞台を移し、新たなMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)=多種多様な交通手段をシームレスに組み合わせて提供する次世代交通サービス=の創出に取り組んでいる。

   鉄道を廃止してもバスがあるじゃないか、という意見が多い。だが、JRからの支援金が尽きると、バス運行の費用を自治体がどう負担するかという次の問題が浮上する。

   大都市も地方も人口減少をにらみながら、どう公共交通サービスを維持していくのか。コロナ禍が示した「近未来」は現実になろうとしている。(渡辺淳悦)

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