タレントへの感謝の念、そして外資が起用を続ける理由は?
一方で、CM起用の取りやめを発表するにしても、これまで長年起用してきたジャニーズタレントへのリスペクトがあるべきだという意見も目立った。
「ここまでの状況になっても、ジャニーズ事務所への忖度(そんたく)や、銭勘定している企業もあると思うが、何より、起用していたタレントへの感謝や愛情もあるのだろうね。共に歩んだ年月があって、そのタレントと共に成長してきたという思いもあるだろうね」
「私の中では、ジェーシービー(JCB)の対応が1番よかった。相手に感謝もせずに切るって、事情が事情でも失礼で、消費者に対してもそういう姿勢なのだろうなと」
なお、ジェーシービーは、打ち切りのコメントをメディアに発表する際、その冒頭にこれまでCMに起用してきた二宮和也さんについて、「2010年より13年間、私達と一緒に歩んできた特別な存在です」と述べたのだった。
また、雪崩を打って「ジャニーズ離れ」を起こす日本企業に対し、ジャニーズタレントの起用を続ける資系企業に驚く意見も目に付いた。世界最大の一般消費財メーカー、P&Gジャパンだ。洗剤のCMに生田斗真さんや菊池風磨さんの起用を続けている。
同社のヴィリアム・トルスカ社長が9月13日、朝日新聞の取材に応じて、その意図を語った。記事によると、「責任ある広告主でありたい」として、同社には非常に高い倫理基準があり、協力会社にも同様に求めているなかで、「ジャニーズ事務所には、記者会見で発表した以上の詳細な再発防止計画の提出を求めており、その計画を評価し、どう取り組むかを厳しく見ていく」という。その結果が出るまで起用を続ける、と読みとれる。
こうしたことから、ヤフーニュースコメント欄ではこんな肯定的な声があがっていた。
「P&Gが続投表明したのは意外でした」
「世界の大企業P&Gは、世論に安易に流されない方針で素晴らしい」
(福田和郎)