直接取引する相手は小規模、代理店を通じて上場企業と取引
東京商工リサーチの調査は、ジャニーズグループの仕入先、販売先を1次(直接取引)、2次(間接取引)に分けて分析した。1次・2次合わせて全国に226社あった。
このうち、東証プライムが21社(9.2%)、同スタンダード7社(3.1%)、同グロース2社(0.8%)で、上場企業は1割超の計30社(同13.2%)あった。ただし、1次取引先では上場企業は1社しかなく、2次に広げると、間接的に代理店などを経由した取引の上場企業が大幅に増えるのが特徴だ【図表1】。
これは、たとえばCMや音楽ソフトなどの制作は、1次取引の小さな制作会社に発注するが、それを実際に使う2次取引はテレビ局や大手企業などになるからだろう。
この傾向は、【図表2】のように、取引先を売上高別にみたデータでも同じだ。内訳は、最多が10億円以上100億円未満で59社(26.1%)、次いで100億円以上1000億円未満の45社(19.9%)、1億円以上10億円未満の43社(同19.0%)と続く。1000億円以上も35件(同15.4%)あった。
しかし、仕入先をみても1次は比較的規模の小さな企業が多く、2次は売上高の大きな企業が大幅に増えることがわかる。たとえば、仕入先で1000億円以上の企業は1次ではゼロだが、2次では13社もある。このことは販売先をみても同様だ。1000億円以上の企業は1次では2社だけだが、2次では23社に増えている【再び図表2】。
産業別の取引先をみると、最多はサービス業他が89社(39.3%)で、次に情報通信業の49社(同21.6%)と続き、この2つで全体の6割(60.9%)に達する【図表3】。細分化した業種別では、大手広告代理店など広告業が29社(同12.8%)で最も多く、テレビ番組制作業の12社(同5.3%)のほか、CM契約を結ぶ持株会社との取引も多かった。