国内最大規模の脱炭素経営に特化した専門展「脱炭素経営EXPO 秋展」(主催:RX Japan)が2023年9月13日~15日、幕張メッセで開催中だ。
年々、関心が高まる「脱炭素」「脱炭素経営」――。初日の13日に会場の幕張メッセを訪問すると、商談の場、ビジネスのヒントを得ようと、来場者でにぎわっていた。
各出展ブースは大盛況で、あるブースの担当者は「脱炭素の領域はだんだん浸透してきている。CO2の見える化を進める企業も増えてきた」。別の人は「企業によっては、CO2の見える化の次の、具体的なCO2削減フェーズへの関心の高まりを感じる」と話すなど、待ったなしの「脱炭素」「脱炭素経営」の取り組みはスピードをあげている。
コロナ5類移行後初の開催...気軽に立ち寄り、話を聞ける 「来場者の目つきも違ってきた」
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、企業での取り組みが進む「脱炭素経営」。2022年4月、プライム市場企業に、気候変動によるリスク情報の開示が義務化され、企業の取り組み方にも変化が出てきた。
これを受け、自社だけでなくサプライチェーン全体での排出量を把握する必要があることから、大企業のみならず、サプライヤー(部品などの供給元)などでも、CO2の「見える化」が進んだのだ。
今回の「脱炭素経営EXPO」秋展でも、こうしたCO2の見える化をサポートするツールやコンサルティングによる支援など、企業の「脱炭素経営」を力強くサポートする魅力的なソリューションが一堂に会した。
各ブースをまわってみて、今回は、それぞれの企業がブース前(またはブース内)でおこなう、脱炭素の動向や自社のソリューションを紹介するプレゼンに、来場者が気軽に立ち寄って足を止め、かなりの人だかりとなっていたのが印象的だった。さまざまな行動が緩和されたコロナ5類移行後初の開催だったことも、影響しているのだろう。
あるブースの担当者は「(来場者の)目つきも違ってきたように思います。(脱炭素、脱炭素経営に)取り組まなければ、まずい、やばい、という意識の高まりを感じる」と話していた。
記者が面白く感じたのは、三井物産(ソリューション名:LCA Plus)やパーソルクロステクノロジーなどの企業が、「製品単位」のCO2見える化(LCA=Life Cycle Assessment=ライフサイクルアセスメント)に着目したサービスを展開していたことだ。
これまでは、前述のように、企業活動におけるCO2の見える化の取り組みがまずは必須という状況だった。だが、これらがひと段落した企業では、「製品単位」でもCO2の見える化を進め、それをもとにCO2の削減フェーズへと向かうのだろう。数年先には、この取り組みも「当たり前」に変わっているかもしれない。脱炭素を取り巻くビジネスの動きの速さを感じさせた。
ビジネスの観点ももちろん大事だが、とくに今年は気候変動によるとされる、世界的な異常気象も多かった。次世代に向けてよりよい環境を残すためにも、「待ったなし」の脱炭素、脱炭素経営への取り組みはこれからも続く。
なお、幕張メッセで開催中の「脱炭素経営EXPO 秋展」の残りの日程は、9月14日(木)と15日(金)。そのあと、2023年11月15日~17日、インテックス大阪で「関西展」の開催を予定している。