出社頻度が増えると増加する残業時間...サボり残業、「賛成」39.2%、「反対」60.8%!
さらに、コロナ以前と比較した残業時間の増減について聞いた。「とても増えた」は「16.5%」、「増えた」は「14.6%」、「どちらかといえば増えた」は「36.1%」となり、あわせて67.2%の人が残業時間の増加を感じているという。
また、コロナ後に出社頻度が増加したという507人に同じ質問すると「とても増えた」が「21.5%」、「増えた」が「16.4%」、「どちらかといえば増えた」が「40.6%」となり、出社頻度が高い人ほど、残業時間が増える傾向があるようだ。
では、残業に対しての残業代支給の状況は――。
回答者全体(796人)に会社からに残業代支給について質問した。その結果、「(残業代が)出る」は「60.7%」、「(残業代が)出ない」は「19.5%」、「固定残業代が給与に含まれている」は「19.8%」となった。
一方、同じ回答者には、「サボり残業」の経験を聞くと、「全くない」が26.9%、「ない」が「17.5%」、「ほぼない」が「16.5%」となり、「ない派」はあわせて「60.9%」と過半数を超えた。
これに対して、サボり残業を「日常的にしている」(14.7%)、「している」(8.2%)、「たまにしている」(16.2%)をあわせて「39.1%」に上るなど、約4割の人が「サボり残業」経験あり、ということになる。これは多いのか、少ないとみるべきか?
では、「サボり残業」にも何かしらのメリットはあるのだろうか。
「サボり残業」を経験した311人に「サボり残業」による自身への影響を聞くと、「心の余裕が生まれる」が「54.0%」で最多に。次いで「気分転換になる」が「36.0%」、「ダラダラ仕事をするようになる」が「15.4%」、「メリハリが生まれる」は「15.1%」、「仕事が捗る」は「11.6%」という順になった。メリットと受け取れる項目も、ないわけではないのだ。
最後に、サボり残業の賛否について質問すると、「とても反対」は「18.5%」、「反対」は「21.9%」、「どちらかといえば反対」は「20.4%」となり合わせて、「60.8%」の人が反対しているようだ。
回答者の声は――。
・上司が退勤するまでは退勤できないので、業務が終わっても20分くらい様子を見てしまいます
・オフィスで残業していると仕事を頑張っている雰囲気が出せる
・出社はいいのですが準備で時間を取られるので、プライベートの時間が減ってしまいました
・テレワーク時は雑談が無かったが、職場で話す機会が増えたのでその分多めに仕事をしている
・残業代が出るなら日中少し私用を済ませて夜少し残った方が生活費の足しにもなる
出社が増えることによって、残業時間が増えやすいというコメントが目立っていた。
ライボのコミュニケーション戦略部部長で広報グループ長兼「Job総研室長」の堀雅一は、総括として以下のようにコメントしている。
「全体の60.7%が会社からの残業代が『出る』と回答し、39.1%の人がサボり残業をしたことが『ある』と回答しました。そして、全体の60.8%がサボり残業に『反対』を示している一方、サボリ残業による自身への影響は『心の余裕』や『気分転換』に繋がると回答した人が多数でした」
「残業代が出るのにも関わらず業務以外のことを勤務時間中に行い残業をする、いわゆるサボり残業をしている社会人が一定数存在するのは、テレワーク時には想定されなかった業務や上司や同僚の就業状況が確認できる環境が、出社により作り上げられたことが関係していると考えられます。
このようなデメリットがある一方でサボリ残業をすることにより、心の余裕や気分転換の機会を創出するメリットもあることがわかっています」
「企業側は心の余裕をもたらすサボり残業に賃金を払い、それを黙認しつつ制度などによって解決すべきか、企業の対応も求められる調査結果となりました」
なお、この調査は2023年8月25日から28日にかけて行われ、「JobQ Town」登録者の全国の男女で20代から50代までの社会人を対象にインターネットで実施した。有効回答数は796人(男性6割、女性4割)となった。