「3人の石切り職人」の寓話が意味するもの
みなさんは、「3人の石切り職人」の寓話を聞いたことがありますか?
あるところに、作業をしている3人の石切り職人がいました。そこを通りかがった旅人が、3人に「あなたは何をしているのですか?」と訊ねました。
1人目の男は「これで生計を立てているんだ」と、不機嫌そうに答えます。これに対し、2人目の男は「国中で一番の石切りの仕事をしているんだよ」と、少し自慢そうに答えます。そして、3人目の男は目を輝かせながら「世界一立派な大聖堂を造っているのさ」と、答えたというお話です。
P.ドラッカーの引用をはじめ、石切り職人のセリフや解釈には諸説ありますが、だいたい同様の展開です。
同じ石切りの仕事でも、その目的をどう捉えるかで、働きがいも違ってきます。そして「より素晴らしい大聖堂を建てよう」と思えば、石の切り方も変わってくるかもしれませんし、自分ができる工夫や役割も見つかるかもしれません。
このように、同じ作業でもその目的に立ち返ることで、仕事の意味合いや職場の風景も変わって見えてきます。この寓話からは、仕事の目的を理解することの大切さを学ぶことができるでしょう。
これは単に部下側だけの問題ではありません。上司がどのように部下たちに仕事の目的を説明し、任せるかが重要なのです。
今回紹介するエピソードは、まさに冒頭に上げたような部下たちのモチベーションが低下し、互いに協力もしないギスギスした職場に着任した上司が取り組んだ、奮闘の物語です。