Z世代は、SDGsへの意識高め 「不要だがまだ使えるものは人にあげる」10代・20代は7割、「新品買わずに中古品」10代・20代は5割 博報堂調査

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   みなさんは長持ちするものを修理して使ったり、買い物を必要な最小限にしたりするサステナブルなライフスタイルを意識していますか?

   博報堂(東京都港区)は2023年8月25日に、SDGsの視点からクライアント企業のビジネスイノベーションを支援する同社の全社的プロジェクト「博報堂SDGsプロジェクト」がおこなった「生活者のサステナブル購買行動調査2023」の結果を発表した。

   男女5156人を対象とした今回の調査によると、20歳~69歳において、SDGsを「内容までよく知っている」が8.7%、「内容をある程度は知っている」が45.3%で、これらをあわせた「認知率」は54.0%という結果に。これは、前回調査の2022年から、3.5ポイントの上昇だった。

   一方では、10代(16~19歳)を含めた場合の調査結果では、10代(16~19歳)でのSDGsの「認知率」は77.6%で、他の世代よりも突出して高かった。その関心の高さは、サステナブルな購買行動にもみられる。

   10代と20代での意識の高さを裏付けるように、「不要になったがまだ使えるものは人にあげたり売ったりする」(10代:68.9%、20代:70.9%)、「新品を買わずに中古品を買う」(10代:48.7%、20代:50.0%)、「新品を買わずに借りたりシェアしたりする」(10代:45.2%、20代:36.8%)などの項目で、他の年代よりも関心が高かった。

  • うまくリサイクルしてサステナブルな生活(写真はイメージです)
    うまくリサイクルしてサステナブルな生活(写真はイメージです)
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16~19歳のSDGsの「認知率」77.6%、「知名率」91.2%

   この調査は2023年2月27日から28日にかけて、全国の16歳から79歳までの男女計5156人を対象に、H.M.マーケティングリサーチを通じてインターネットで実施した。

(博報堂の作成)
(博報堂の作成)

   はじめに、「SDGs(持続可能な開発目標)」についてどの程度知っているか質問した。今回の結果では、「内容までよく知っている」が「8.7%」、「内容をある程度は知っている」が「45.3%」で、これらをあわせた「認知率」は「54.0%」であることがわかった。なお、前回(2022年)調査の結果は「50.5%」で、認知度は微増した。

(博報堂の作成)
(博報堂の作成)

   年代別では、16歳から19歳までの世代で関心が高かった。認知率(『内容まで知っている』、『内容をある程度は知っている』の合計)が「77.6%」、知名率(『内容まで知っている』、『内容をある程度は知っている』、『内容は知らないが名前を聞いたことがある』の合計)は「91.2%」にまで達している。

   そのほかの年代でも認知率と知名率はおおむね向上しており、認知率は前年代で50%を超えている。

(博報堂の作成)
(博報堂の作成)

   続いて、買い物の際に環境・社会に与える影響を意識しているか10点満点で聞いた。20歳から69歳までの平均値は4.98点となり、初回調査の2019年の4.66点から0.32点のアップとなった。

   この結果から博報堂では「環境・社会を意識した購買行動が徐々に拡大。中でも10代と20代が昨年から大きく上昇」と指摘している。

10代のサステナブルな行動...「不要だがまだ使えるものは人にあげる」68.9%、「新品買わずに中古品を買う」48.7%、「借りたりシェアする」45.2%

(博報堂の作成)
(博報堂の作成)

   つぎに、ものの再利用や廃棄物の減少、リサイクルなどを踏まえた「サステナブル購買行動」の調査結果によると、「物を買う時は必要最小限のものだけ買う(最小限:ミニマル)」、「長く使えるものを買う(長期的;ロングライフ)」、「不要になったがまだ使えるものは人にあげたり、売ったりする(循環:サーキュラー)」という、「サステナブル購買行動」の傾向は全体では前回調査との比較で、大きな変化は見られなかった。

   一方で、10代から20代(16歳から29歳)では、「不要になったがまだ使えるものは人にあげたり売ったりする」(10代:68.9%、20代:70.9%)、「新品を買わずに中古品を買う」(10代:48.7%、20代:50.0%)、「新品を買わずに借りたりシェアしたりする」(10代:45.2%、20代:36.8%)といった「サーキュラー(循環)」や「シェア(共有)」に関する行動が全体より10~20ポイント高い結果となった。

(博報堂の作成)
(博報堂の作成)

   また、「サステナブルな商品」に対してどんなイメージを持つか聞くと、「自然な」(33.7%)がトップになり、次いで「優しい」(24.7%)、「すべての人に関係がある」(20.9%)、「グローバルな」(20.2%)、「誠実な」(19.9%)という順番になった。

   博報堂は、こうコメントしている。

「『サステナブルな商品』についてイメージする言葉を聞いたところ、『自然な』(33.7%)がトップ、次いで『優しい』(24.7%)。『自然環境の保護』や、『地球環境に優しい』『人に優しい』などから連想されている模様。
続いて、『すべての人に関係がある』(20.9%)、『グローバルな』(20.2%)。SDGsでうたわれている『誰一人取り残さない』というメッセージや、SDGsが国際的な取り組みであることが意識されているとみられる」
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