「植田ショック」は「口先引締め」か? 株安・債権安・円高トリプルショック効果、エコノミストが分析「政府と日銀の口先介入は、今後も続く」

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植田総裁の「超タカ派」にビックリ、金融緩和は早まる

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東京証券取引所

   植田和男総裁の「意外なタカ派ぶり」に驚いたと強調するには、第一生命経済研究所主席エコノミストの藤代宏一氏だ。

   藤代氏はリポート「経済の舞台裏:『口先引き締め』に動いた植田総裁 マイナス金利撤廃は『年内』?」(9月11日付)のなかでこう述べている。

「インタビュー全体としては、粘り強く金融緩和を続ける、というこれまでの見解が維持されたが、マイナス金利撤廃に関して『年末』という具体的時期に言及したことは驚きであった。
利上げ時期の文脈における『年末』というのは、最タカ派で知られる田村(直樹)政策審議委員が8月30日に示した時期(来年の1~3月頃)よりも早い」

   そして、こう続ける。

「もちろん、今回のインタビューは為替市場に向けた『口先引き締め』の意図を有していた面もあるだろう。確信犯的に、市場参加者の過剰反応を狙うために敢えて『年末』に言及した可能性はある。ただし、それでもわずか3か月後に迫っている年末に、マイナス金利撤廃の議論が俎上に上ることに含みを持たせた意味は大きいと筆者(=藤代氏)は考える。
植田総裁以下、中枢メンバーは既にマイナス金利撤廃に向けた準備を進めている可能性があるだろう。筆者は2024年後半としていたマイナス金利撤廃時期を2024年前半に変更した」

   その際、焦点になるのは日本銀行が最重要視する賃金だ。直近の毎月勤労統計(7月)によると、賃金は2%程度の伸びに留まっており、依然として物価上昇率に負けている。

「(しかし)マイナス金利+YCCという強力な金融緩和を解除するには、十分な伸びとみることもできる。今回の結果は、日銀にマイナス金利撤廃に向けた議論を促したとみられる」

   藤代氏はそう結んでいる。

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