環境重視のトレンドにも合致「中古物件だからこその価値が見直されている」
こうした市場拡大が見込まれる背景の一つには、新築住宅の価格高騰がある。
不動産経済研究所が今春発表したデータによれば、22年の首都圏(1都3県)の新築マンションの平均価格は前年比0.4%増の6288万円に達し、バブル期(1990年に6123万円)を超えて過去最高を更新した。東京23区の平均は8000万円を超えており、多くの人にとって新築マンションは、もはや手の届かない「高根の花」だ。
そこで、「中古住宅ならかろうじて手が届く」と、若い世代などが中古住宅を割安に購入してリフォームを施し、自分たちのライフスタイルに応じた住まいに作り替えるケースが増えている。
住宅のリフォームは環境を重視するトレンドにも合致しており、「中古物件だからといって軽視されず、中古物件だからこその価値が見直されている」と話す関係者もいる。
さらに、団塊ジュニア世代が住む住宅がそろそろリフォームを必要とする時期を迎えているとの指摘もある。
リフォーム需要が増えそうな要因は数多く、一段と期待される成長市場になりそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)