長い間、自治体には固定資産台帳がなかった!

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ようやく企業並みの財務書類を作った

   地方財政を立て直すために、総務省は民間企業並みの財務書類(財務4表)を作ることを要請、全国のほとんどの自治体が新しい財務書類を作り、ホームページで公表している。

   これまで単式簿記・現金主義会計には、財政全体が見えない、コスト情報に不備がある、将来予測ができないなどの問題があった。複式簿記・発生主義会計による新しい会計制度によりわかったのは、公共施設の著しい老朽化だ。

   最終章では、先進的な取り組みを紹介している。

   政治家は投票に行かない若い世代よりも、投票に行く世代を優先した政治を行う傾向がある。福井市は、若者の政治参加を促すため商業施設や大学に期日前投票初を設置し、若年層の投票率向上に成果を上げている。

   長野県白馬村は、クラウドファンディング型ふるさと納税によって、地域にある白馬高校が廃校になるのを食い止めたという。

   東京都町田市は、「新地方公会計制度」(複式簿記による財務書類の作成)とその応用に関して、最先端をいっている自治体の1つだという。高校生を含む誰もが事業評価に参加、「まちの誰もが仕分人」という仕組みを作った。

   行政だけでは公共サービスに限界があるため、住民、企業、NPOなどの団体が活動主体となる「新しい公共」という概念が国(内閣府)から発信された。自分たちの暮らしをよくするためには、自治体だけに任せてはいけないことを痛感するだろう。(渡辺淳悦)

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