岸田首相は「国民生活を悪化させる特殊能力を持ってる」?
こうした結果をエコノミストやネット民はどう見ているのだろうか。
ヤフーニュースコメント欄では、第一生命経済研究所首席エコノミスト永濱利廣氏が政府の物価対策をこう批判した。
「こうした実質賃金マイナスの状況も影響してか、政府は物価高対策の延長を決めましたが、ガソリンについては導入当初は1リットル168円まで下げるとされていたのが、延長後は1リットル175円となり、昨年よりガソリンが高い状況は変わりません。
また、電気・ガスの負担軽減も、9月半減から10月以降終了となっていたものが、9月半減されたものが延長されるようなので、8月以前よりも負担軽減額が減ることになります。一方で、物価高で税収上振れの可能性が高まっていることからすれば、政府は物価高対策の負担軽減を縮小することなく延長すべきでしょう」
同欄では、一般の人からもこんな怒りの声が相次いでいる。
「岸田首相は、国民生活を悪化させる特殊能力を持っている。岸田政権では、インフレ、円安、海外情勢の悪化が続いており、根本的な解決が何ひとつできていません。やった政策と言えば、業界に対する補助金のバラマキです。業界は喜びますが、財源を確保するため増税や社会保障費の値上げによって回収する、というマッチポンプのような手段を取っているのです。
こんな政策では、生活向上も経済発展も期待できるわけもなく、少子化が解決するはずがありません。岸田首相は今月内閣人事を改造するようですが、誰が大臣になったとしても、トップの首相自身を変えなければ意味がないと考えます」
「家計管理アプリの実績でいうと、スーパーで買っている食品だけに限っても、うちの家計は3年前から2割上がっていますね。きついです」
「もう一般的なサラリーマンは来年春まで給与は上がらないのに、値上げは毎月しているのですから、苦しくなる一方ですね。この1年半で40%ぐらい値上げしている感じです。給与が1.5倍になるか、毎月2%でも賃上げしていくかしないと、日本経済は本当に終わると思います」
この意見に対しては、こんな捕足的な見方もあった。
「もちろん賃上げも必要なのですが、賃上げできる環境を作らなければ、企業の倒産が増えるだけです。その環境を作ることができるのは、市場原理に反して支出することができる政府だけです。今のインフレはコストが上がっているだけですから、消費税やガソリン税の減税、社会保険料減免など、あらゆる手を尽くして実質賃金を上げる必要があります」
(福田和郎)