「賃金や昇進の実利より、モチベーションアップの自己投資の意義が大きい」
調査をまとめた「しゅふJOB総研」研究顧問の川上敬太郎さんはこうコメントしている。
「主婦層を中心とする就労志向の女性に『リスキリングなどの学び直しに取り組みたいと思うか』と尋ねたところ、『取り組みたい』と回答した人が8割を超えました。しかし、『いまは取り組んでいない』人が6割なのに対し、実際に『いま取り組んでいる』人は2割に留まっています。
回答者全員に『学び直しには、どんなメリットがあると思うか』と尋ねると「転職・再就職がしやすくなる」との回答が最も多くなりました。さらに、回答を実際の取り組み状況別に比較すると、『ビジネスパーソンとして成長できる』などポジティブな項目の比率は、総じて実際に取り組んでいる人が最も高かったものの、『賃金が上がる』と『昇進・昇格がしやすくなる』には顕著な差が見られませんでした。
学び直しすることで、賃金や昇進といった直接的な実利よりは、転職の可能性や人材としての市場価値向上、モチベーションアップといった自己投資としての意義を感じている人が多いようです。
フリーコメントには、学び直ししたいが、時間とお金が不足しているという声が多数寄せられました。政府はリスキリング時の補助金による支援に取り組んでいますが、実際に学び直しに取り組む人が増えるか否かは、さらに時間の融通も含めた心身のゆとりをケアできるかがカギを握っていると考えます」
調査は、2023年7月11日~18日、求人サイト「しゅふJOB」などに登録している、就労意欲のある女性649人にインターネットを通じてアンケートを行なった。(福田和郎)