ドル高と円安の両面がある...もう口先介入は限界
今回も政府・日本銀行の為替介入はあるのだろうか。エコノミストはどう見ているのか。
ヤフーニュースコメント欄では、第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏がこう指摘した。
「足元のドル高円安は、ドル高と円安の両面があると思います。ドル高の背景には、中国やユーロ圏の経済指標が良くなかったため、相対的に景気が底堅いドルが買われやすかったことがあります。
一方の円安要因としては、サウジとロシアの原油の自主減産延長が打ち出されたため、原油輸入国である日本の貿易赤字拡大観測を通じて円安圧力がかかりやすい構図となっています。こうしたファンダメンタルズ的な要因が背景にあることからすれば、口先介入による円安抑制効果は限定的と言えるでしょう」
また、ソニーフィナンシャルグループのDaily Market Report「米長期金利上昇とドル高:為替」(9月6日付)では、こう予想している。
「ドルは147円80銭付近まで値を上げた。ただ、今朝(9月6日朝)、神田財務官が『為替相場はファンダメンタルズ反映して安定推移が望ましい』『こういった動きが続くならあらゆる選択肢を排除せず』などとコメントしたことを受け、上げ幅を縮める様子も見られている。
本日(9月6日)の米国では、8月ISM非製造業景況指数や米地区連銀経済報告の発表などが予定されている。これらを受け、米長期金利の上昇が一段と進む場合、ドル円も再度148円を目指す動きとなる可能性があるが、その際の本邦当局からの口先介入などによって、乱高下となることもあり得る。引き続き神経質な値動きが続こう」