2025年卒就活生、7割が「生成AI」に「肯定的」 注目のキーワードに「企業の将来性を感じる」

   ChatGPTなどの「生成AI」の台頭に、今夏のサマーインターンシップに参加(予定を含む)する2025年卒業予定の大学生の約7割が「肯定的に捉えている」ことがわかった。

   音声解析AI電話「MiiTel」やAI搭載オンライン会議解析ツール「MiiTel Meetings」を提供するRevComm(レブコム、東京都渋谷区)が2023年8月28日に発表した。

   25卒の就活生にとって、「AI」は重要なキーワードとなっている。企業選びにも影響していることがわかった。

   肯定的な理由は「業務の生産性向上に繋がりそうだから」と答えた人が最多。一方で、否定的な理由には、「将来的に仕事を奪われてしまう可能性があるから」と答えた人がいた。

生成AI「とても否定的」な人はわずか0.9%

   調査は、この夏(2023年)開催のサマーインターンに参加予定、あるいは参加した2025年卒の就活生321人に、AI時代における就活生の仕事選びに関する意識調査を実施した。

   それによると、まず「あなたは、ChatGPTなどの生成AIの台頭を、これから働いていくうえで、どのように捉えていますか」と聞いたところ、「とても肯定的」と答えた人が16.8%、「やや肯定的」が50.5%で、合わせて67.3%の人が「肯定的に捉えている」ことがわかった。「やや否定的」が8.7%、「とても否定的」と答えた人は、わずか0.9%だった。「生成AIがよくわからない」という人も3.1%いた。【図1参照】

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図1 生成AIに「肯定的」な人は約7割にのぼった(「MiiTel Meetings」調べ)

   「とても肯定的」「やや肯定的」と答えた人(n=216)に、「ChatGPTなどの生成AIの台頭に、肯定的な理由を教えてください」(複数回答)と聞いたところ、「業務の生産性向上に繋がりそうだから」と答えた人が63.0%にのぼり、最も多かった。

   次いで、「アイデアや閃きのきっかけとして活用できるから」が41.2%、「不得手な業務を補完してくれるから」が38.9%、「単調な業務を減らすことができるから」と答えた人が31.5%で続いた。

   「よりやりたい仕事に集中できそうだから」が29.6%、「仕事の相談役として気軽に活用できるから」が29.2%だった。【図2参照】

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図2 「肯定的」な理由の最多は「業務の生産性向上に繋がりそうだから」(「MiiTel Meetings」調べ)

就活の企業選び、注目のキーワードは「AI」!?

   その一方で、「やや否定的」「とても否定的」と答えた人(n=31)に、「ChatGPTなどの生成AIの台頭に、否定的な理由を教えてください」(複数回答)と聞いたところ、「将来的に仕事を奪われてしまう可能性があるから」と答えた人が35.5%で、最も多かった。

   次いで、「AIと差別化した時に自身にできることがあるか不安だから」が35.5%、「仕事に対する主体性が低下する可能性があるから」が32.3%という回答が、3割を超えた。

   「機密情報漏洩やセキュリティ不備などに対しリスクを感じるから」と答えた人が25.8%、「仕事上のコミュニケーションが減少してしまう可能性があるから」(16.1%)や「これまで学んできたことと異なる知識が必要になるから」(6.5%)と答えた人もいた。【図3参照】

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図3 「将来的に仕事を奪われてしまう可能性があるから」と答えた人は?(「MiiTel Meetings」調べ)

   実際の就職活動で、「AI」のキーワードはどの程度、気になるのだろうか――。

   調査では、「生成AIがよくわからない」と答えた人以外を回答者(n=311)に、「あなたは、就職活動の企業選びで、『AI』というキーワードに注目していますか」と聞いたところ、「非常に(注目)している」と答えた人は12.9%だった。「ややしている」が37.6%で、50.5%の人が「注目している」ようだ。

   「あまり(注目)していない」と答えた人は34.1%、「まったく(注目)していない」は9.6%だった。【図4参照】

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図4 「AI」のキーワードに注目している?(「MiiTel Meetings」調べ)

注目している理由「これからの時代に必要」「AIを学んでみたい」...

   「AI」のキーワードを「非常に(注目)している」「ややしている」と答えた人(n=157)に、「就職活動の企業選びにおいて『AI』というキーワードに注目している理由を教えてください」(複数回答)」(n=157)と聞いたところ、「企業の将来性を感じるから」と答えた人が61.1%で最も多かった。

   次いで、「新たな知識を学ぶことができそうだから」が39.5%、「最先端の事業に触れたいから」の30.6%が続いた。「型にはまらない仕事ができそうだから」と答えた人は26.8%。「成長基調で、活気のある環境を想像できるから」(23.6%)や「経験できる業務の幅が広そうだから」(19.7%)という人もいた。【図5参照】

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図5 「AI」に注目する理由、「企業の将来性を感じるから」が最多(「MiiTel Meetings」調べ)

   さらにインターンシップ先や就職志望先の企業の選定で、「『AI』というキーワードに注目している理由があれば、教えてください」(自由回答)、n=153)と質問したところ、

「これからの時代に必要」(20歳)
「AIを学んでみたい思いがあるから」(22歳)
「最先端の技術を取り入れているから」(22歳)
「自分が働いていく中で将来的に身近になりそうだから」(21歳)
「近未来的でワクワクする感じがする」(22歳)
「志望業界が積極的にAIを導入しているからです」(22歳)
「AIはうまく使えれば大きな力になると思うから」(21歳)

   といった声が寄せられていた。

   また、「あなたは、生成AIなどのデジタルを駆使したビジネスを十分に展開できていない企業に対して、抵抗感を持つことがありますか」(n=311)との問いに、「とてもある」と答えた人は6.4%、「ややある」が28.6%で、合わせて35.0%の人がデジタルを駆使したビジネスを展開できていない企業に「抵抗感を持つことがある」と答えていることがわかった。

   その半面、「あまりない」と答えた人も44.4%、「まったくない」が11.3%で、合わせて55.7%と半数を超える人が「抵抗感を持っていない」という。「わからない・答えられない」は9.3%だった。

インターンシップや説明会で、「AI」を説明した企業は「2~4割」

   調査によると、インターンシップや説明会に参加した企業の中で、「どれくらいの企業が『AI』に関する説明をしていましたか」(n=321)との問いに、「2~4割」と答えた人が27.7%で最も多かった。次いで、「1割以下」の21.2%が続いた。

   「5~7割」が16.8%、「8~10割」が1.2%だった。「インターンシップや説明会に、まだ参加していない」と答えた人は22.7%だった。「わからない/答えられない」は10.3%。

   採用活動を行う企業側からみると、「AI」の活用が就活生へのアピールポイントとなりうるかもしれない。

   また、「あなたは、ChatGPTなどの生成AIが今後私たちの『働き方』を、どのように変化させていくと思いますか」(複数回答、n=311)と聞いたところ、「業務効率化で働き方が多様になる」と答えた人が49.5%で最も多かった。

   次いで、「定型業務が減少する」と答えた人が40.2%、「デジタルリテラシーが必須になる」が36.0%、「生産性が向上し、より創造的な業務に携わる機会が増える」が35.7%で続いた。

   「対人コミュニケーションのスキルがより求められる」(24.1%)や「新たなスキルや知識の習得が必要になる」と答えた人が22.5%と、2割を超えた。【図6参照】

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図6 生成AIは「働き方」をどのように変える?「(「MiiTel Meetings」調べ)

   さらに、ChatGPTなどの生成AIが「今後、私たちの『働き方』をどのように変化させていくか、考えを教えてください」(自由回答、n=289)と質問したところ、

「創造的な仕事が増えて事務的な業務が減る」(21歳)
「アイデアの参考になる」(20歳)
「ライフワークバランスを実現できる」(21歳)
「節度ある使い方をしなければならない。働き手が代替されていくのは間違いない」(20歳)
「人間よりも効率よく仕事をしてくれると思う」(20歳)
「単調な業務はAIに置き換えられていくと思う」(20歳)
「もっと便利な世の中になると思う」(20歳)

   などの声が寄せられた。

   なお、調査は2025卒業予定で今夏開催のサマーインターンシップに参加予定、あるいは参加経験がある大学生を対象に、IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー(R)」によるインターネットで、2023年7月31日~8月2日に実施した。有効回答者数は321人。

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