低容量偏重の日本、安さのみ追求でいいのか!?
こうしたことから、MM総研ではこう提言している。
「日本ユーザーのモバイル通信量は、中央値3GBで平均10.33GB。6年半で約2.5倍に伸長したが、コンテンツやサービスの発展、5G開始から3年以上経過していることを考慮すると、伸び幅は小さいといえるのではないか。
月額料金は国としての政策方針もあり、2年半で1000円以上安くなった。一方で、データ通信容量が10GB程度にとどまっているのは、月額料金を抑えるために携帯キャリアが試行錯誤して設定している料金プランと、ユーザーが契約プランのデータ容量上限を強く意識した使い方をしているためと分析する。
エネルギー資源や物価高騰の影響は、他業種と変わらず携帯キャリアの収益を圧迫している。そのため、料金据え置きで単純にデータ容量を増量することは困難だろう。海外では消費者物価指数に連動する形で価格改定する事業者も存在している。
海外と比較すると、日本は低容量偏重+段階制という特徴的なプラン構成である現状を認識したうえで、今後は安さのみを追求するのではなく、『無制限』という言葉の意味合いや位置づけを再考し、キャリアにも利用者にもメリットと選択の幅が広がるプランの議論が起きてもよいのではないか」
調査は2023年7月、15~69歳の男女2万7543人にWebアンケートを行なった。(福田和郎)