FRBの利上げは終了間近だが、投資家のリスク選好姿勢は当面続く
野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏も、FRBの利上げ打ち止めが近いことを示す内容だったという見方だ。
石黒氏がリポート「米雇用統計はFRBの利上げ停止を示唆する内容」(9月4日付)のなかで、特に注目したのは米求人件数が減っているデータだ【図表3】。
求人件数が減れば、賃金上昇圧力が和らぎ、賃金インフレが落ち着いてくる。石黒氏はこう指摘する。
「求人検索サイトを運営するIndeedの8月18日時点のデータでも、米求人件数の減少基調が続いています【図表3】。今回の米労働参加率の上昇が示すように、労働市場に復帰する人が今後も増加すれば、米賃金上昇圧力の緩和を通じ米サービスインフレの鈍化に寄与しそうです」
ところで、今後の株式市場はどうなるのか。
「今回の米雇用統計を受けて、FF(フェデラルファンド)金利先物市場では年内の追加利上げ確率が40%以下にまで低下しました。市場ではFRBによる利上げ局面がようやく終了するとの見方が高まりつつあるといえ、投資家のリスク選好姿勢は当面続きそうです」
(福田和郎)