会場に制約があり、毎年の開催が難しいケースも ホンダ、マツダの毎年開催は際立つ
日本の自動車メーカー主催のファンイベントは、トヨタ自動車や日産自動車も開いているが、コロナ禍で中止に追い込まれるなど影響を受けた。そんな中、家族で参加できるイベントを復活させ、毎年開催するメーカーは珍しい。
ホンダは2005年の初回から、コロナ禍の中断を含み、今回で15回目の開催となる。マツダは22年まで西日本の岡山国際サーキットが中心だったが、23年9月には2018年以来、5年ぶりに東日本の富士スピードウェイ(静岡県)でも行い、11月の岡山と合わせ、1年に東西で開催することになる。
実は、自動車メーカーがファンイベントを開催するのは、意外と煩雑らしい。
ホンダと並び、熱烈なファンの多いSUBARU(スバル)でさえも「ファンをつなぎとめるため、本当は毎年イベントを開催したいが、会場など制約が多く、毎年は難しい」と筆者は幹部から聞いたことがある。
トヨタやホンダなど自前のサーキットを持つメーカーは開催するのが比較的簡単かもしれない。だが、サーキットを持たないマツダ、スバルなどは自社のテストコースをファンに開放して行ったこともある。ただ、熱心なファンに「聖地巡礼」は喜ばれるかもしれないが、企業秘密の多いテストコースを毎回開放するのはさすがに難しいようだ。
結果的に近年、メーカー主催のファンイベントの開催が限られる中、マツダとホンダの意欲的な開催はファンとメーカーの絆の表れであり、特筆に値する。(ジャーナリスト 岩城諒)