廃炉作業の見通し、全く立たず...23年度内のデブリ取り出し、51年の廃炉完了は厳しいか
「廃炉作業を進めるためには、これ以上、原発敷地内にタンクを増設できないから海洋放出が必要」というのが、政府の基本的な説明だ。もっとも、肝心の廃炉作業の見通しが全く立たないことも、処理水放出への不信の根っこにある問題の一つだ。
政府は2023年度後半にも、溶け落ちたデブリの取り出しを試験的に始め、最終的に2041~51年の廃炉を目指している。
しかし、実際はロボットによる内部撮影映像が公開される程度で、23年度内デブリ取り出しは「ロボットで微量採種して『取り出し開始』とでもいうつもりなのだろうか」(反原発運動関係者)と皮肉られるほどで、実質的には不可能とみられる。51年廃炉完了を信じる人は政府内にも見当たらないといわれ、「100年かかる」との声も出る。
廃炉日程と密接に関係する処理水の海洋放出も、「30年程度かけて」という見通し通りに進む保証はない。