ビジネスパーソンにとって30代、40代は、上司もいて、部下もいて、あるいは周囲の活躍も気になって...という悩み多き世代ではないでしょうか。
当コラム「その仕事の悩み、こんなふうに考えてみよう。」では、キャリアや生活にまつわる悩みに、組織や人材開発、コーチングに詳しい「ひろ子ママ」が、アドバイスやエールをお送りしていきます。
◆きょうのお悩み
きょうはUさんが、こんな悩みを抱えていらっしゃいました。「仕事もできるし、性格もいいしと思っていた先輩のAさんがいるんです。一緒に仕事をするようになってから『なんか違うな』と感じることも多々あって。先日も休みの前日にいきなり『月曜日朝イチまでね』と仕事をふってきて、結局土日に資料を作成しました。実はこんなことが2回目で、すごく優秀な人で頑張っているのは分かりますが、まわりにも押し付けるってどうなんでしょう」
仕事を押し付けてくる人の特徴
Uさんの先輩ように優秀で仕事ができる人は、「自分はこんなに商談に出かけて契約もあげて......頑張っているんだから。まわりも同じように頑張るべきだ」と考える傾向があります。
困ったことに金曜の遅い時間に仕事をふってくるのも、悪気がなかったりするのでやっかいですね。「仕事>プライベート」というような自分の価値観をまわりの人にも押し付けてしまうんですね。
最近はライフワークバランスを重視する、仕事とプライベートを分けるなどさまざまな価値観を持った人が増えているので、昔みたいな「仕事一筋」という人は減ってはきていますよね。
そのほか、仕事を押し付けてくる人には以下のような傾向もあります。
・面倒くさいことは人に押し付ける
・都合の悪いことから逃げる
仕事を頼まれやすい・押し付けられやすいのは、どんな人?
「Uさんは、Aさんからこれまで何度か仕事を頼まれている(押し付けられている?)かと思いますが、Uさんのまわりの人も、同じようにAさんから仕事を頼まれているんですか?」
「実はそうでもなくて、なぜは私に集中しています」(Uさん)
仕事を押し付ける人がいれば、仕事を押し付けられやすい人もいます。Uさんは後者に当てはまっているのかもしれないですね。特徴を知っておきましょう。
(1)仕事に対して真面目な人
誠実で与えられた仕事をきっちりこなす人です。仕事に対して誠実なことはいいことですが、「お願いしたら手伝ってくれそう」と思われてしまうことがあります。熱心であるがゆえに責任もってやってくれるだろうと思われてしまうんですね。
(2)自己主張が少ない人
頼まれたら、はっきりと断れない人もこのタイプです。要件を頼む側も断ってこないから「やってくれるんだろう」「またお願いしよう」と思ってしまうのです。
(3)押し付けられていることに気づかない人
「仕事が多いから仕方ない」「みんなも忙しいから自分も頑張ろう」と、押し付けられていること自体に気づかない人もいます。
「Uさんはどのタイプでしょうか?」
「(1)と(2)ですかね」(Uさん)
(3)でないはないので、我慢して仕事を受けている状態ですね。「仕事を頼みやすい人」でいることが悪いことではありませんが、そのような状態が続くと心身に影響が出ることもあります。自分の身を守るためにも対処法を知っておきましょう。
仕事を押し付けてくる人から身を守るための対処法
おそらくUさんはこれまでも「断ってきた」と思いますが、あいまいな断り方だったかもしれません。できれば「受けるのは難しいです」はっきりと断ってみましょう。とは言いつつ、一緒にする立場なので角を立てたくはないですよね。
そこで角のたたない仕事の断り方を紹介します。
・代替案を示す
たとえば、他にも仕事を抱えていて物理的に難しい場合。
「今、他の仕事を抱えていて?日まで手が空きません。その後でしたら動けますがいかがでしょう」
「全部ではなく、一部の○まででしたができますがどうでしょう」
「終末の依頼になる場合は、遅くても木曜日までだと助かります」
など。Uさん自身が無理しなく受けられるように代替案を示してみてはいかがでしょう。
・同僚の人の手を借りる
「その仕事なら以前、CさんがやっていたのでCさんにお願いした方がスムーズに進みそうですよ」と同僚の手を借りるのも一つの手です。
「仕事を押し付けてくる」人と長く一緒に仕事を続けていくには、価値観の違いを知ってもらうことや、自分ができる範囲をできるだけ伝えることが大事です。ぜひUさんも試してみてくださいね。(ひろ子ママ)