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日々是好日:どんな日もいい日だ どんな出来事も「受け止め方ひとつ」

   日々是好日――。これは、中国の唐の時代にいた、雲門文というお坊さんの言葉です。ある日、雲門は弟子たちに「これから15日以降の日々の心境を述べなさい」といいました。でも、なにが起こるかわからない未来の気持ちなんてわかるわけがないので、弟子たちは答えられません。

   雲門は自分で「日日是好日」と答えました。なぜ、雲門はこんなことを言ったのでしょうか。たとえば学校に行く途中、スマホを片手に歩いていて水たまりで転んでしまったとします。「最悪な日だ!」と思うかもしれません。しかし、転んだおかげで「歩きながらスマホをいじるのはやめよう」と考えるようになるでしょう。

   そのような行動は、結果的に事故を未然に防ぐことになります。このように、すべて私たちの出来事は受け止め方ひとつで、「いいこと」に変えられるのです。それを言いたかったのだと、大愚さんは指摘します。

「この世には『いい出来事』も『悪い出来事』もないと考えます。『いい』『悪い』は私たちの心がつくっているだけで、それにとらわれすぎてはいけないのです」(大愚さん)

   1500年以上の歴史を持つ仏教の宗派のひとつ「禅宗」には、子どもたちの考える力・感じる力を刺激する禅語がたくさんあります。

   本書では子どもたちに知ってほしい禅語を簡潔に解説しており、ユーモラスなイラストも入れて、仕上げています。子供向けの本ですが、大人が読んでも充分楽しめるはずです。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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