シン・インフレ時代の投資...自分の生活を守り、資産を増やすには?

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投資のメリットは、社会の動きに強い関心を持つようになること

   具体的にさまざまな投資についてポイントを挙げている。

   国内株式は、繰り返しになるが短期売買ではなく、長期保有が前提だ。まずは「自分が魅力的に感じる会社であるかどうか」で決めればいいという。

   生活防衛の視点では、デパート株を勧めている。たとえば、三越伊勢丹HDを100株以上保有していると優待カードが発行され、買い物には10割引が適用される。

   自分が住む沿線の私鉄株も候補だ。さまざまな優待制度がある。今後インフレで物価が上がってくると配当金よりもそうした優待による実需を求めるのも、一つの生活防衛になる。

   このほか、外国株式、投資信託、国債などの債券、FX、外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)、暗号資産、コモディティ(金などの商品)について、メリット、デメリットを詳しく説明している。

   意外なのは、「NISA(少額投資非課税制度)利用に引っ張られないようにしよう」と注意していることだ。自分のやりたいと思う戦略を定めた結果、NISAの対象商品が見つかるかどうかで選択すべきだという。「NISAがあるからこれをやるべき」は間違いだとも。

   最後に著者は「どのような形であれ、投資に関わることでこれまであまり興味がなかった社会の動きなどにも強い関心を持つようになるものです。そして多くの物事が他人事から自分事へと変わるのです」と書いている。

   「楽しい人生を送るためにも、今すぐに投資を始め、日本の政治、経済、そして未来にコミットしていきましょう」という提言は、しごく真っ当なものだろう。(渡辺淳悦)

「『新しい資本主義』の教科書」
池田健三郎著
日東書院
1760円(税込)

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