スマホのマナーモードも、オートフォーカスも...世界最小「モーター」は白木社長が開発した 今度の挑戦は「風力発電機」だ!/コアレスモータ 社長・白木学さん

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「大きな」コアレスモーターをつくる 風力発電機への挑戦

――今、新たな挑戦を始めたとお聞きしています。

白木社長 これまでは、小さいモーターだけをやってたんですよ。そういったニーズがあったことは確かなのですが、もっともっと大きなモーターで、力が出るものをやってみたいと思うようになりました。iPhoneをやめて、もっとパワーのある、大型の製品をやろうということです。これまでの事業を分割して売却しました。そして2017年に、設立したのが「コアレスモータ」です。新しいチャレンジというか、新しい製品を、そして新しい技術を生み出したほうが社会的な意味があるんじゃないかと思って......ということです。

――それが、小型風力発電や小型水力発電に適した「再生可能エネルギー発電機」用のモーターですね。開発のきっかけと特徴、ご苦労された点などを教えてください。

白木社長 きっかけは、戦争です。ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー価格などが高騰しています。太平洋戦争で日本が戦争に走り始めた時代、広島と長崎に原子爆弾が投下されたこと、東日本大震災の福島第一原子力発電所の事故を思い出しました。
すべてはエネルギー問題です。そのエネルギーの問題を解決する。自然であれば、エネルギー源の乏しい日本でも電気がつくることができます。太陽光や水、風力、地熱から電気がつくれるのですよ。
いろいろと課題はあることはわかっています。しかし自然の中にもの凄い電力源があることがわかっていながら、なぜ政府はそれを進めようとしないのですか。ぜひ、やってほしいんですよ。エネルギー問題の解決に少しでも貢献したいと思い、「発電をやろう」と決めたのです。
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コイルを巻いてモーターをつくっていく
白木社長 今はモーターの発電効率を上げることを考えています。コアレスモーターは鉄芯をなくしたものの、モーターの出力を上げるにはコアの部分を固くする必要があります。大きな力を出すには、たくさんのコイルを巻かなくてはならないのです。
とはいえ、たくさん巻くと重たくなりますから、軽量化できるよう、いろんな補強材を入れたり、コアを銅板にして巻いたりと材料を変えたわけですね。それにモーターの形も、いろいろな形のものを試作品としてつくりましたし、値段を抑えるためにプラスチックを採用したりもしました。
20数年前から、少しずつですが、15、16種類ぐらい(の試作品)をつくりましたね。そうやって大きな力を出せるコアレスモーターを開発しました。これからは地域で、家で、小型の風力発電機を活用して、電気を増やしていく時代です。
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